薬丸岳 Aではない君と

薬丸岳さんのAではない君とを読みました。

 

ストーリーはあの晩、あの電話に出ていたら。

同級生の殺人容疑で十四歳の息子・翼が逮捕された。

親や弁護士の問いに口を閉ざす翼は事件の直前、

父親に電話をかけていた。

真相は語られないまま、親子は少年審判の日を迎えるが。

少年犯罪に向き合ってきた著者の一つの到達点にして

真摯な眼差しが胸を打つ吉川文学新人賞受賞作。

 

テレビ東京55周年記念でドラマ化されるというので手に取りました。

 

父親がどう話そうとしても息子が頑なに口を開こうとせず、

事件の話はもとより日常会話もしようとせず、

時間ばかりが過ぎ、どんどんと少年審判の日が迫り

焦りと動揺が隠せないのがとてもハラハラすると同時に

いたたまれない気持ちになりました。

 

それと同時に息子の口から事実が分かってくると

それに対して自分は耐えられるのかという

父親の気持ちの葛藤が見え隠れして

加害者の親の辛さとがとても伝わりました。

 

父親も両親という立場ではありますが、

その前に一人の人間、そして息子であっても一人の人間として

どうあるべきかということを二人して苦しみ、

考え抜いて生きている姿に心を揺さぶられました。

少年からの事件の全貌が明かされて事実が語られた時の

言葉にはドキッとしてしまいました。

「ぼくはあいつに心を殺されたんだ。

 それで殺しちゃいけなかったの?」

{中略)

「心を殺すのは許されるのにどうしてからだを殺しちゃいけないの?」

きっと酷いいじめを受けたからここまでの心境に

なってしまうのかと解釈をしました。

特に思春期というのは心と身体のバランスが上手く取れないと思うので、

余計にこのような思いが強くなり、理性が働かなくなってしまい

してはいけない行動までもおかしてしまうのかと思ってしまいました。

 

けれどこんな困難な事に対しても 息子を助けたい、

救いたいという強い気持ちで懸命に息子に

向かい合う父親の姿は素晴らしいです。

もし自分がこの立場だとして考えてもとても出来るとは思えないです。

どんな息子であってもしっかりと二人で向き合って、

犯してしまった罪の深さをきちんと償い、

被害者の遺族にも謝罪をして生きていくことが

加害者にとって生きている者のせめてもの償い方だと思えました。

 

少年の父親の姿も良かったですが、 被害者の父親の言葉もとても重く、

担当の弁護士の言葉一つ一つに重みがあって胸が熱くなりました。

裁判用語や少年犯罪の用語などについて様々と出てきますが、

とても分かりやすく描かれていたので読みやすかったです。

 

昨今、いじめや少年の凶悪犯罪も多くなってきた時代になってきたので、

子供さんを持つ親御さんや若い世代の人達を中心として

多くの人達にこの作品を読んでもらって

何かの教訓にしてもらいたいです。

 

 

薬丸さんの作品は何冊か読んでいますが、

少年犯罪についての作品はどれも共感させられて

とても読み応えがあります。

 

9月21日からはドラマが始まるのでそちらも楽しみにしています。

 

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2018.09.13 Thursday | 読書16:07comments(0) | - | by yumi

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2018.09.19 Wednesday | - | 16:07 | - | - | by スポンサードリンク
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