森沢明夫 夏美のホタル

森沢明夫さんの夏美のホタルを読みました。

 

ストーリーは写真家志望の大学生・慎吾。

卒業制作間近、彼女と出かけた山里で、古びたよろず屋を見付ける。

そこでひっそりと暮らす母子に温かく迎え入れられ、

夏休みの間、彼らと共に過ごすことに……。

心の故郷の物語。

 

プロローグを読んでいた時には想像をしていた物と違っていたので、

これで慎吾、夏美が出てきて一体どうなってしまうのだろうと思ってしまいました。

けれど読み進めていくとすぐに慎吾、夏美が登場して、

都会を離れた素朴な情景と美しさ、

それと同時に優しさと温かさに溢れた地蔵さん、ヤスばあちゃん、

同じ里に住んでいる人達が次々と登場して一気に心が

この故郷に入り込みました。

 

地蔵さんとヤスばあさんの語り口調でも優しさが滲みでていますが、

ひと言ひと言に人間味のある温かみのある言葉が

とても良く心を打たれました。

中盤からは話が急転換になっていき、

読む手が止まらず一気に読むと同時に

感動のあまり涙をこらえるのに大変でした。

 

地蔵さんとヤスばあさんを見ていると親子の絆、

家族の絆というのを今までに味わったことのない形で

再認識をさせらてました。

特に印象的な言葉は

名前の形見、そしてその名前には三つの恩恵。

最初の恩恵は、この世に生まれててくる喜び、

二つ目は、親に愛される喜び、

三つ目は伴侶と一緒に子供の幸せな姿を見る喜び

今まで名前ということを親の形見なんて考えたこともなく、

この三つの喜びは当たり前だけれど、

これが一番の人としての喜びだと思いました。

 

そして地蔵さんとヤスばあさんと一緒に過ごすことで、

慎吾も夏美も同じように人を思いやり、

温かみのある人に成長していくのが

とても微笑ましいです。

二人の会話の中にも素敵な言葉が詰まっていて良かったです。

 人間ってのは、何かと何かを比べたときに、

 いつも錯覚を起こすんだって。

 だから、自分と他人をあまり比べない方がいいって。

 

 時間とか、人の心とか、思い出とか・・・目に見えないけれど、

 でも確かに存在するものがある。

 そうゆうものは、どんなに丈夫な鎖をもってしても、

 つなぎ止めておくことはできない。きっと目に見えないものは、

 自分の中にある目に見えないものでしか触れられないし、

 コントロールすることもできないのだ。

 わたしたちは、自分の内側の「想い」という見えない力を頼りにして、

 この世の目に見えない大切なものたちと

 寄り添いながら生きていくしかないのだろう。

この言葉がこの物語を全て物語っていると思い、

これを心に刻みたいと思ってしまいました。

 

普段何気なく使っている「ありがとう」という言葉も、

ここでは特別な思いを感じてしまい、

これからはありがとう言う時も意識して使いたいと思いました。

 

そして生まれてきてくれて、本当にありがとう。

この言葉を全てのものに対して言えるような

心になってみたいと思いました。

 

森沢さんの作品は何冊か読んでいますが、

どの作品も優しさに包まれて読んだ後には心が温まるものばかりなので

安心して読めます。

まだ他にも読んでいない作品あるので沢山読んでいきたいと思います。

 

 

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2017.12.16 Saturday | 読書15:15comments(0) | - | by yumi

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2019.12.11 Wednesday | - | 15:15 | - | - | by スポンサードリンク
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