森絵都 みかづき

森絵都さんの『みかづき』を読みました。

 

ストーリーは「私、学校教育が太陽だとしたら、塾は月のような存在になると思うんです」 昭和36年。

人生を教えることに捧げた、塾教師たちの物語が始まる。

胸を打つ確かな感動。著者5年ぶり、渾身の大長編。

小学校用務員の大島吾郎は、勉強を教えていた児童の母親、

赤坂千明に誘われ、ともに学習塾を立ち上げる。

女手ひとつで娘を育てる千明と結婚し、家族になった吾郎。

ベビーブームと経済成長を背景に、 塾も順調に成長してゆくが、

予期せぬ波瀾がふたりを襲い――。

 

日本の教育の在り方、学習塾の遍歴、義務教育の歴史など

学校教育と学習塾を対比しながら様々な方面から書かれていて

とてもよく分かりました。

 

それと並行して女系家族を主軸とした家族の物語、

塾の経営者としての奮闘が絡み合い家族と教育に対しての

テーマが踏ふんだん盛り込まれた作品だと思いました。

 

特に塾の創設にあたった千明は教育ということに関して、

人生をかけたといっても過言ではない行動には度肝を抜かれます。

教育ということに関しては誰にも負けず、

誰よりも優れていたのは本当に素晴らしいことだと思います。

けれどこれに振り回されてしまった娘たちは可哀想な気もしましたが、

後々のことを見てみると子供は親の背中を見て育つとは

よく言ったものでそれぞれの個性を持ちながら

立派に大人になっていったので良かったなと思います。

 

人生の節目などを太陽と月のなぞえられて、

そして月の満ち欠けに例えたりしてロマンチックだと思えたり、

その一方ではとても深い意味だったりしてこの本のタイトルに

まさに相応しいと思いました。

 

常に何かが欠けている三日月。

教育も自分と同様、そのようなものでもあるのかもしれない。

欠けている自覚があればこそ、人は満ちよう、

満ちようと研鑽を積むのかもしれない

 

この言葉がとても印象的で

これでこの作品の全てを語っているかと思いました。

 

理想の教育を志していた作品ですが、格差社会、

シングルマザーから生まれる貧困問題などと現代の日本が

大きく抱えている社会問題にも切り込んでいたので

考えさせられることもありました。

教育を通して社会全体の在り方も問われているようでした。

 

教育をテーマにした作品なので初めは硬い印象がありましたが、

読み進めていくうちに登場人物がとても生き生きとしていて

時にはくすりと笑える一コマがあり、人間味がとてもあるので

テンポよく読めて読みがいのある作品だと思います。

 

教育に携わる方には多く読まれたら良いなと思います。

 

 

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2017.05.26 Friday | 読書12:54comments(0) | - | by yumi

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2019.06.25 Tuesday | - | 12:54 | - | - | by スポンサードリンク
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