内村光良 ふたたび蝉の声

内村光良さんのふたたび蝉の声を読みました。


内容
自分はあと何年生きられる?仕事はこの先どうなっていく?

家族の形はこのまま変わらず続けていける?

進はぼんやりと天井を見上げ物思いに耽っていた。

昭和、平成を必死に生き、支え合った

それぞれの世代の“家族”と“人生”の物語。

内村光良、初の書き下ろし長編小説。

 

以前内村さんの「オリンピック男」を読んで良かったので、

今回も同じような内容かと思い読み進めていきましたが、

登場人物が多いのは良いですが、

全体のストーリーに対しての

繋がり感があまり無くて少し残念でした。

 

「オリンピック男」よりも一人の人物としての物語は

重厚なはずなのですがその厚みが少し欠けていて、

書下ろしというよりも台本に近いような印象を受けてしまいました。

 

といってもストーリーは中盤から前半とは雰囲気が

がらりと変わって、あることがとても気になり、

涙で本が滲んでしまいそうな場面もあり

これにはやられてしまいました。

 

同じような昭和の世代を歩いてきたので、

大きな出来事、ヒット曲、映画など

所々に出てくるので懐かしくもあり楽しめました。

 

家族の形がそのままという意味が初めはピンときませんでしたが、

ストーリーが進むごとに家族の形が変わり、

そしていつかは受け継がれていって

自然の流れに辿り着くということが

この年代になると特に身に沁みてしまいました。

 

だからこそ、人生明日はどうなるのか分からないから

ただ悔いのないように日々を過ごしていこう。

自分が良いと思うことだけを信じて、

それに向けてしっかりと生きていこう。

というシンプルな言葉が印象的で自分自身も改めて

この気持ちでいこうと思えました。

 

長編小説というと評価としては難しいところですが、

文章から出てくる内村さんの人柄や優しさがよく出ているかと思います。

そして何よりも読みやすく、シンプルに気持ちが伝わってきます。

自分の人生と重ね合わせて、

改めて家族の形、そして友達と自分の周りの

大事な人達との繋がりを考えてしまう作品だと思います。

 

今までの活躍以上にまたこれからの幅広い活躍も

この作品をきっかけに期待したいと思います。

 

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2019.05.19 Sunday | 読書00:31comments(0) | - | by yumi

瀬尾まいこ ありがとう、さようなら

瀬尾まいこさんのありがとう、さようならを読みました。

 

内容

「僕は先生のことを愛しています。今度のテストで100点取るので結婚してください」―初めてプロポーズをしてくれた相手は、中学校の教え子でした。

小説みたいな瀬尾せんせいの毎日は、大変だけど感動でいっぱい!学校というルールの厳しい社会の中で、出会いと別れを繰り返し、成長していく生徒たちと瀬尾さんが過ごした日々。

瀬尾作品すべてのルーツになった、著者の中学校教師時代を描くほっこりエッセイ。

 

様々な個性のある中学校の生徒達と過ごした日々が綴られていて、

とても生き生きとハツラツとして読んでいて

爽やかな気持ちになりました。

学生の時は生徒側のことしか殆ど考えていなかったですが、

瀬尾さんのように一人一人の生徒達に対して

こんなに真剣にきちんと考えて接してくれていたのだろうかと

今頃になって当時の教師のことや学校生活の事を

思い返してしまいました。

 

教師だから人生経験もあるしある程度の事は分かっているから

教えてくれることもありますが、それは進学ということが念頭にあって

勉強のことだけを教えているのか、

それともその先の人生の事を教えてくれていたのかは

あまり定かではないですが、瀬尾さんのように生徒と一緒になって

成長して学ばせてくれるというのは本当に羨ましい思いがしました。

きっと瀬尾さんに教わった生徒達はいつまでも

この事を忘れずにいると思います。

 

どのエピソードも楽しく微笑ましく、

時にはほろりとさせてしまうもので、

瀬尾さんの人柄の良さや温かさが滲み出ていると思います。

これがベースとなって他の作品にも表れている

というのがよく伺えました。

 

修学旅行や行事では色々な部分が明らかになるとよく言われるけれど、

生徒はすてきれない部分を隠し持っていて、

自分はだめな部分を必死で隠さないといけないとは。

という部分がありましたが、思わず上手いなと思ってしまいました。

 

大人になってから学生時代を振り返ってみる機会にも

良い作品だと思いますが、これから教師になる方、

あるいは現在教師の方に読んでもらっても良い作品だと思います。

 

 

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2019.05.11 Saturday | 読書22:44comments(0) | - | by yumi

小川糸 洋食小川

小川糸さんの洋食小川を読みました。

 

内容

寒い日には体と心まで温まるじゃがいもと鱈のグラタン、春になったら芹やクレソンのしゃぶしゃぶを。

石垣島から届いたパイナップルでタルトを焼いたり、ペンギンの仕事場にトンカツの出前をすることも。

一人の夜には、スパイスを煮込んだホットワインを楽しむ。

大切な人、そして自分のために、洋食小川は大忙し。

台所での日々を綴ったエッセイ。

 

小川さんのエッセイで何冊か読んでいますが、

今回も日々の暮らしを丁寧に過ごし、

お料理もシンプルだけれど自分なりの工夫もこなして、

そして以前も度々出ていたベルリンに滞在できるなんて

全部憧れのような生活で羨ましい限りでした。

 

以前もドイツや特にベルリンについて細かく書かれていて

更にドイツに興味深くなりました。

日本も良い所は取り入れられれば良いなと思いました。

犬の飼い方については日本とは違うので少し驚きました。

 

小川さんのような素敵な生活ぶりとは全然違う境遇で生活していますが、

一つだけ共通点がありました。

ヒヤシンスの香りから始まり、

芳香剤の臭い、そして消臭剤をはじめとして

洗剤、柔軟剤の臭いについて書かれていました。

私もこの匂いについてはかなり敏感なので、

香害については小川さんのような方が何か世の中に

発信してくれたら影響があるので何かしてくれたら良いなと思いました。

 

人間が作らなかったものというタイトルの中で、

養老孟子さんのインタビューから

「一日、十五分で良いから人間が作らなかったものを

見た方が良い」という言葉がありましたが、

これは思わず納得してしまいました。

以前はそれ程か関心が無かった小さな自然でも

少しの時間でも見ることで心が癒されるということが

最近では少しづつ分かってきたので、植物だけでなく

あらゆるモノに対して「人間が作ったもの」を見つけたいと思いました。

 

いつも大切な旦那様と犬のゆりねに対して

尊敬の心や特別な愛情が伝わってとても素敵な家族だなと思います。

夫婦二人の家族の形の理想の形のようにも思えてきてしまいます。

 

日記エッセイは普段何気なくしていることに共感を得たり、

新しい生活のヒントを得られこともあります。

読んでいると温かい気持ちになることも出来たり、

少し心が踊るような気分にもなるので

またのんびりとしたい時には読みたいと思います。

 

 

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2019.05.06 Monday | 読書23:50comments(0) | - | by yumi

こかじさら 負けるな、届け!

こかじさらさんの負けるな、届け!を読みました。

 

内容

二十五年勤続にもかかわらず理不尽な理由でリストラされた小野寺かすみ。

仕事が好きで頑張ってきたプライドはずたずたに。

そんな折、友人から誘われた東京マラソンの応援で心を動かされ、勢いでランニングシューズを買ったが…。

たったひとりでも応援してくれる人がいれば頑張れる。

エールを贈ることで自分を奮い立たせられる。

かすみはマラソンを通して大切なことに気づき、新たな人生の第一歩を踏み出す。

読めば元気がもらえる“応援小説”誕生!

 

タイトルからでも元気を貰えそうな感じがする印象ですが、

読んでいくとどんどんとストーリーに引き込まれて、

誰かを応援したくなり、走りたくなったりと

何かを一生懸命にやりたくなってくる

勇気と元気が湧いてきました。

 

仕事が好きで勤続二十五年になったのにもかかわらず、

リストラになってしまった女性が主人公となり、

東京マラソンの応援をきっかけとして人生の新たなる一歩を

踏み出すという人生再生の物語です。

 

リストラだけでなく、自らの意思で仕事を辞めたとしても

何か毎日の生活にメリハリがなく鬱蒼としている登場人物たち。

人それぞれ悩みがあるけれど、その悩みを解消することが難しくても

この作品のような東京マラソンの応援という

今までの自分の生活とは無縁の所から新しい人生が開けて

自分にも自信が持って前に進めるという気持ちになるのは

とても素晴らしいことだなと思えました。

読んでいると主人公と同じ気持ちになり、

どんどんと心が爽快になっていき、

何か自分でも些細な変化から未来が

変わるかもしれないかと思えてきました。

 

今までたかが応援と思っていましたが、

この作品ではいかに応援ということが凄いパワーを

持っているのだなと実感しました。

文中にもあるように

応援してくれる人が一人でもいれば、

人はがんばれるじゃないかって。(中略)

自分がやってきたことを認めてくれる人がいたことがわかって、

自信が持てたって・・・

(中略)

だから

がんばっている人には「ここに応援してくれる人がいるよ」って、

しっかりと伝えることが大事だと思って

この言葉が凄く心に沁みて、

例え辛いことがあっても、この言葉を思い出して

地道に努力をすれば報われるというのが結び付くような気がしました。

 

そして人生は走り続けなければ分からないことだらけ、

だから人は走り続けるのだと。

という言葉に思わず納得してしまいました。

 

今まで凄く頑張っている人に頑張ってというのは

おこがましいということも考えたこともありましたが、

この作品を読んで改めて声援を送ることの大切さが分かったので

なるべく声を出して伝えてあげたいと思いました。

 

心が疲れてしまったり、

人生につまずいてしまった時に

そっと背中から押してくれて、心も温まり、

そして明日へのパワーに繋がりそうな作品なので

また再読したい一冊になりました。

 

 

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2019.05.01 Wednesday | 読書22:30comments(0) | - | by yumi

小杉健治 父からの手紙

小杉健治さんの父からの手紙を読みました。

 

内容

家族を捨て、阿久津伸吉は失踪した。

しかし、残された子供、麻美子と伸吾の元には、誕生日ごとに父からの手紙が届いた。

十年が経ち、結婚を控えた麻美子を不幸が襲う。

婚約者が死体で発見され、弟が容疑者として逮捕されたのだ。

姉弟の直面した危機に、隠された父の驚くべき真実が明かされてゆく。

完璧なミステリー仕立ての中に、人と人との強い絆を描く感動作。

 

一つ一つの伏線がどのような展開で点で繋がるのかが、

前半からでは予想出来なかったので読んでいて

とてもドキドキ感がありました。

けれど真相に至るまでの経緯長くて

何度か同じような描写が出てきたりして、

まるでデジャヴではないかと思ってしまう程だったので

少しまわりくどいような印象に感じました。

もう少しこの部分は省略されても良いように思いました。

 

ラストの父からの手紙を読み返すとぐっと心に迫るものがあり

親が子供を思う気持ちがひしひしと伝わり、

涙が出そうになりますが、父が家族の幸せのために

このような道を選んだのは正しかったのか

どうか疑問に思うこともあります。

例えどんなに苦しい状況だったとしても、

家族の前にいて全てをさらけ出して生きて欲しい思いがしました。

 

何だか自分の不幸を良かれと思ってした行動が裏目に出てしまい、

それによって圭一の人生が大きく狂わされてしまったり、

麻美子の家族の人生も揺るがされてしまったような気がして

あまり後味の良い解決策だと思えませんでした。

 

本屋でベストセラーでお勧め本となっていて、

帯にも「最後の手紙」を読み終えた

あなたはきっと涙が止まらない。や感動ミステリーの大傑作と

書かれていたので手に取りましたが、

期待とは少し違った気がしましたが、

家族の絆、そして家族の幸せというものを

少し考えさせられたて読み応えのある作品でした。

 

 

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2019.04.26 Friday | 読書15:01comments(0) | - | by yumi

志賀晃 スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼

志賀晃さんのスマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼を読みました。

 

内容

神奈川県警生活安全サイバー犯罪対策課の桐野良一はあるPCから、死体で見つかった女の情報を探っていた。

そのPCは、「丹沢山中連続殺人事件」の犯人のものだった。

秘密を探るうち、犯人は桐野にある取引を持ちかけ―。

その頃、巨額の仮想通貨流出事件が発生。

セキュリティ会社で働く美乃里のもとに、ハッカーらしき男からコンタクトがあり…。

情報化社会の恐怖を描くサイバー・サスペンス!

 

前作読んで面白かったので手に取りました。

前作の続編で続きかと思いましたが、

今回はスマホは落とさずにハッカーやランサムウェアやクラッカーなどと

サイバー犯罪が主体となり、ビットコイン通貨も加わってきて

前回よりもより本格的なネット用語が出てたりして、

事件の大きさも広がって最後まで緊迫感があって楽しめました。

 

スマホを落とさなくても遠隔操作で何でも

出来てしまう時代になってしまったと思うと

便利さの裏に怖さがかなり潜んでいるなと思いました。

 

後半はかなりハラハラとさせられましたが、

ちょっとタイミングが良すぎるかなという場面があったり、

犯人の真相がいまいち分かりすらかったり、

この続きの余韻も持たせているのが気になるところでした。

また、後半はストーリーが急展開すぎていると思うので、

もう少し丁寧に描かれていれば良かったかなと思いました。

 

前作を読まなくてもこの作品だけでも

サイバーサスペンスを十分に楽しめる一冊だと思います。

 

 

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2019.04.17 Wednesday | 読書18:19comments(0) | - | by yumi

角田光代 笹の舟で海をわたる

角田光代さんの笹の舟で海をわたるを読みました。

 

内容

あの日、思い描いた未来を生きていますか?

豊かさに向かう時代、辛い過去を葬ったまま、

少女たちは幸福になったのだろうか―。

激動の戦後を生き抜いたすべての日本人に贈る感動大作!

 

戦時中から戦後の日本を生き抜いた二人の女性の人生を描いた物語。

二人の対照的な人生の生き方を見ていると

一体どちらが幸せだと思ってしまいました。

左織のような昔ながらの専業主婦で慎ましく生きる人生、

風美子のように仕事をバリバリとこなし周囲から羨ましく思える人生。

左織は常に様子を伺い何かするのに

臆病になっているところが見えますが、

まるでこれを見ていると自分の一部分を

見ているような気ににもなってしまいました。

だから風美子が羨ましくも思えたり、

時として不安に駆られることがあるのだなと思いました。

 

風美子のように自分の人生は自分で切り開いていく

ということが出来るタイプに性格は本当に羨ましいです。

こうしたくても出来ない左織の気持ちも分かるので、

娘となかなか折り合いがつかないところがまた否めないです。

 

それにしてもいつも風美子は何かにつけて、

左織の家族や人生にまとわりついているので

ちょっとドキドキしながら読んでしまいました。

過去にあった事に対しての因果応報というべき

ものがあるのかと思いながら・・・

 

風美子は左織がいたから生き生きと過ごすことができたのか、

それとも自分なりの生き方でこんな風になったのか

それは定かには分からないですが、

心の奥底では寂しさや辛さがあったからこそ、

左織という友達のそばにいたかったのかとも思えました。

 

不幸なできごとはあったけれど、

不幸な人ではないという言葉にちょっと救われたような気もしました。

 

どんな人生を送っていても、

隣りの芝生は青く見えるものなのかと思ってしまいました。

主人公の家族との相性と人生の切なさが何とも言えない余韻の

ある作品でした。

 

 

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2019.04.12 Friday | 読書22:28comments(0) | - | by yumi

葉真中顕 絶叫

葉真中顕さんの絶叫を読みました。

 

内容

鈴木陽子というひとりの女の壮絶な物語。

涙、感動、驚き、どんな言葉も足りない。

貧困、ジエンダー、無縁社会、ブラック企業…、

見えざる棄民を抉る社会派小説として、

保険金殺人のからくり、孤独死の謎…、

ラストまで息もつけぬ圧巻のミステリーとして、平凡なひとりの女が、

社会の暗部に足を踏み入れ生き抜く、凄まじい人生ドラマとして、

すべての読者を満足させる、究極のエンターテインメント!

 

主人公の鈴木陽子の生い立ち、

人生を辿りながら事件の真相を追っていきますが、

母親からの確執、差別、そして貧困から逃れるために

はじめた仕事のはずが逆に追い打ちをかけることとなり、

そして更には男性との運のつきでどんどんと人生の歯車が狂ってしまい

ラストでは思いもしない結末へとなっていくという

とても一言では表せないような壮絶なストーリーで、

どんとんと読み進めていくごとに内容に引き込まれてしまいました。

 

こんな哀しいことになってしまったのは、

貧困ということも根底にはあるかもしれないですが、

それ以上に母親が小さな頃から「女の幸せ」というものを

彼女に押し付けてたり、弟との差別をしたりと、

今でいえばネグレクトに近いことをしていたせいでこんなことに

なってしまったのかとも思えます。

例え貧困であったとしても家族と温かく普通に過ごしていたら、

こんな凄まじい人生にはなっていなかったと思ってしまいました。

それだけ人間形成に環境の悪さが影響するというのは怖いくらいだと思い

この状態の悪さに同情してしまうくらいでした。

 

現代社会の表だけでなく裏の社会、

そして闇社会でのあらゆる場所でのからくりがここでは出て来て、

知らない世界が続々と出てきその恐ろしさを知った気がします。

 

人間は、ただ降ってくるだけの自然現象。

と理解してから陽子の行動は何もかもが無敵、

そして今までの不自由さから脱したかのように

どんどんと何も恐れずに振る舞っていったのが

良いことに進展していったら救いもあったのですが、

そこからまた狂ったようにあることに執着してしまったのが

こんな酷いことをしているのに可哀そうに思えてしまいました。

彼女には本当の自由の素晴らしさが味わえたらと

思えてなりませんでした。

 

この作品では警察の視点と陽子の視点とで描かれていますが、

陽子の視点が今まではあまり無かった「あなた」

という言葉で書かれていたの、それがかえって彼女の人物像や

人生を際立てされていた気がしますが、

それだけでなく敢えて分けていたのがラストになって

なんとなく理解出来たような気がします。

 

葉真中さんの作品はこれが初めてですが、

細かい点が伏線となっり、そして緻密な構成に出来ていて、

描写が細かいので読んでいても分かりやすくとてもスリリングでした。

600ページもあったのにあっという間に読んでしまい、

読了後もすっきりとしたので他の作品も是非読んでみたいと思います。

とにかく圧巻の一冊なのでお勧めな作品です。

 

WOWOWでドラマ化されているのでこちらも期待して観たいと思います。

 

 

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2019.04.03 Wednesday | 読書23:55comments(0) | - | by yumi

長岡弘樹 赤い刻印

長岡弘樹さんの赤い刻印を読みました。

 

内容

刑事である母に毎年届く、差出人不明の御守り。

秘められた想いが、封印された過去を引き寄せる。

果たして、真実を知った娘は――。

40万部超の大ヒット文庫『傍聞き』の表題作(日本推理作家協会賞短編部門受賞作)で主人公を務めた、あの母娘が再び登場! 「巧緻な伏線」と「人生の哀歓」が、見事にクロスする瞬間を描いたミステリー短編集。

 

赤い刻印

秘薬

サンクスレター

手に手を 4篇収録

 

今まで様々なミステリーを読んできましたが、

こんなに短いストーリーなのにある程度の伏線が

読んでいる時には分かるはずですが、

それがあまり分からない展開で

終盤になってからやっと分かるという展開になって

驚かされてしまいました。

今まで味わったことのない繊細で見事なトリックでした。

 

特別な状況ではなく日常にあるミステリーで

現代社会を背景にした設定で、

シングルマザー、子供のいじめ、老々介護などと

深刻化している問題を題材にしているからこそ、

怖さが後からじわじわと来ました。

 

特にラストの「手には手を」では老々介護と障碍者の介護が

合わさったミステリーには何とも言えない怖さが滲み出ていると

同時にそれぞれの主人公の心の叫びのような

悲痛さも出ているようで重みのある作品でした。

 

4篇の中では「サンクスレター」は

親の立場という点とターゲットのしていたことが

が分かりやすかったという点では

他の作品とは違う観点からのミステリーで

子供に対する思いが強く残る作品でした。

 

長岡さんの作品は初めてですが、

他のタイプのものも読んでみたくなったので

これをきっかけに他の作品も読んでみたいと思います。

 

 

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2019.03.26 Tuesday | 読書11:56comments(0) | - | by yumi

原田マハ まぐだら屋のマリア

原田マハさんのまぐだら屋のマリアを読みました。

 

内容

東京・神楽坂の老舗料亭「吟遊」で修業をしていた紫紋は、

料亭で起こった偽装事件を機にすべてを失った。

料理人としての夢、大切な仲間。

そして、後輩・悠太の自殺。逃げ出した紫紋は、

人生の終わりの地を求めて彷徨い、尽果というバス停に降り立った…。

過去に傷がある優しい人々、心が喜ぶ料理に癒され、

紫紋はどん底から生き直す勇気を得る。

 

原田さんの作品というと美術関係のものが多いので

マリアというのもタイトルで出てくるので

てっきり海外のキリスト関連の内容かと思ってしまいました。

 

料亭で修行していた青年が自信を失いかけて

人生の終わりを彷徨っていた所に過去に過ちがあった女性と

巡り合いそこからまた新しい仲間が増え、

新たなる世界が見えてくるというストーリーでした。

 

主人公の紫紋が過去の自分の過ちや同僚との思い出、

そしてマリアの薬指の謎などと様々な伏線があり、

気になることが様々でストーリーに飲み込まれてしまいました。

 

時より思い出す紫紋の同僚との辛い過去に

うなされている場面にはとても切なくなりました。

同僚だけでなく誰に対しても人に対して優しく

真面目に接しているからこそこの苦しみが来てしまうのかと思うと

早くここから救ってあげたい気持ちになりました。

 

新しく生活しだした場所では、

周囲の人達が何でも親切に受け入れてくれていますが、

時として必要な場合にはきちんと向き合って本音を

語っているところがまたお互いを助けて合っているのだと思えました。

 

本の帯にもありましたが、

食べることは、生きること、

過去に友達に囚われた人に前を向く勇気をくれる

ということにぴったりな作品です。

 

どんなに辛くてもそれから逃げ出すことなく、

ただ静かに良き、報われない人の役に立つ何かをしているのならば、

それこそが、あなたにとっての「解決」。

という言葉が心に打ち、

ラストではそれぞれが互い過去を許し合って

生きていこうとする光景は涙ぐましいです。

どんな状況にあっても許してくれて帰る場所が

あるというのは本当に掛けがえのないもので良いものだと思い

目頭が熱くなりました。

そして故郷というものを更に良いものだと思ってしまいました。

 

原田さんの作品は好きなので何冊か読んでいますが、

この作品も心温まり、生きることへの活力が

読了後もじわじわと湧いてきて、

食べることと人のぬくもりを感じられる作品だと思います。

 

 

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2019.03.21 Thursday | 読書22:51comments(0) | - | by yumi