島本理生 Red

島本理生さんのRedを読みました。

 

内容

夫の両親と同居する塔子は、

イケメンの夫と可愛い娘がいて姑とも仲がよく、

恵まれた環境にいるはずだった。

だが、かつての恋人との偶然の再会が塔子を目覚めさせてしまう。

胸を突くような彼の問いかけに、仕舞い込んでいた不満や疑問がひとつ、

またひとつと姿を現し、快楽の世界へも引き寄せられていく。

上手くいかないのは、セックスだけだったのに――。

『ナラタージュ』の著者が官能に挑んだ! 著者最高傑作。

 

主人公の塔子が何が不満で不倫へと走らせてしまったと

思いながら読んでいましたが、こうゆうタイプはもしかしたら

とことん堕ちるとことまで堕ちるのかと思いきや、

かつて恋人だった彼とはそこまでの勢いがあるわけでもなく、

ただ夫のことが嫌いになってしまっただけなのかと思いました。

同じ女性としても可愛い娘もいて、イケメンの夫がいて、

姑ともそこそこ仲が良いとなれば

何が不満なのかと思ってしまいますが、

かつての恋人に再会したことから奥さんでもなく、

嫁でもなく、お母さんでもない

ただ一人の女として本来の自分自身を見出したことができ、

今まで包まれていたものが全部剥がれて落ちたのかと思いました。

 

それまで少しは不満に思っていた夫に対しても

仕事を再開したことで社会復帰したことや

彼に出会ったことなどで外部からの刺激も受けて

益々夫のいかにも保守的な考え方が

マザコン、家庭内モラトリアムなどの嫌なものになって

きたのかと思います。

 

不倫はいけないものだと頭では分かっていても、

こんな風に家庭内で自分の居場所がなかったら

居心地の良い場所や人を探してしまうというのは

弱い人だったらそうなっても仕方がないなとも思えてしまいます。

けれどエピローグを読むと子供からしてみれば、

やはり年齢に関係なく親の事はしっかりと見ているので

不倫は良いものではないと思います。

けれどまたこの子供も結婚をして同じ境遇になったとしたら

母親のことも理解できる状況になったら

本当に分かり合えるのかとも思います。

 

塔子のような思いをしながら生きている人というのは

割といるかと思います。

けれどそれをどうにかして心と頭でコントロールしながら

自分らしく生きていくのかかが難しく、

不倫になったり、離婚したりと家族や夫婦の形が

異ってくるのかと思います。

これからは家族の形、夫婦の形も今までとは少しずつ

変わってくると思うので自分らしく居られる場所を

作るのが一人の人間らしく生きられるのかなと思いました。

 

ファーストラヴを読んだ時にはこんなに印象的で

刺激的な表現が描かれていなかった印象だったので、

こんなにも島本さんの作風が変わるなんて思いもしませんでした。

 

表紙の写真や帯で衝撃の映画化と書かれていたので、

どれだけ泥沼化していくのかと思いましたが、

それ程でもなくて少し拍子抜けしましたが、

主人公が自分らしく生まれて変わることができたことが

良かったかと思いました。

 

2月22日に映画公開になったので、

どうなったのかが気になるところです。

妻夫木さんの鞍田役はちょっと意外です。

機会があったら観てみたいと思います。

 

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2020.02.24 Monday | 読書22:26comments(0) | - | by yumi

益田ミリ 続・僕の姉ちゃん

益田ミリさんの続・僕の姉ちゃんを読みました。

 

内容

「誠実そう」という女性の言葉は、口説いてくるなよのサイン。

何の話をしたか思い出せないけど楽しかったのは、恋の始まり。

自分のいいところは、自分が知らなくてもいい……。

アラサーOL姉ちゃんが、新米サラリーマンの弟を相手に、

毎夜食卓で繰り広げる恋と人生について。

大切なことは、全部姉ちゃんが教えてくれる !? 人気シリーズ第二弾。

 

前作の「僕の姉ちゃん」が面白かったので手に取りました。

 

今回もお姉さんが弟に対してズバズバという話し方や

時にはツッコミのような話し方が面白く、

それに対してドギマギしていたり、

またつっこみをする弟が面白かったです。

 

お姉さんは恋愛に対しては率直な考え方で

人生経験に例える会話は実にシビアで

冷静に分析して話しているので共感することも

多かったり、時には感心するような事も話すのがリアルでした。

 

いくつもある中で

自分探しという言葉について話していましたが、

自分って本当にひとりなのか?

毎日毎日新しい自分を作り出していると

考えると、生まれてから今まで全てが自分。

ということでキミはひとりじゃない、

強く生きなよ。

というのが哲学的で印象的でした。

 

そして最終的には人生にはやはり

努力が重要という発言が

意外にもお姉さんは堅実派なのかと思ってしまい

安心してしまいました。

 

辛口な中にも純粋な心も見え隠れする

お姉さんの言葉に少し元気が貰えたりして楽しめました。

こんなお姉さんがいてくれたら、

頼りがいもあって人生がまた変わりそうな気がします。

 

益田さんの独特な世界観がまた楽しめる一冊でした。

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2020.02.22 Saturday | 読書23:35comments(0) | - | by yumi

ほしおさなえ 活版印刷三日月堂 空色の冊子

ほしおさなえさんの活版印刷三日月堂 空色の冊子を読みました。


内容
小さな活版印刷所「三日月堂」。

店主の弓子が活字を拾い刷り上げるのは、

誰かの忘れていた記憶や、言えなかった言葉―。

弓子が幼いころ、初めて活版印刷に触れた思い出。

祖父が三日月堂を閉めるときの話…。

本編で描かれなかった、三日月堂の「過去」が詰まった番外編。


ヒーローたちの記念写真
欲しと暗闇
届かない手紙
ひこうき雲
最後のカレンダー
空色の冊子
引っ越しの日

 

ほしおさなえさんの作品は

活版印刷三日月堂 小さな折り紙が初めで、

未来から読んでしまいましたが過去に遡って少し

主人公の弓子の生い立ちや印刷所の成り立ちが

知ることが出来て良かったです。

 

活版印刷所に携わっていた人、その周囲で支えていた

家族や友達、仲間などの一人一人が優しく、

温かくて読んでいて心がとても穏やかな気分になりました。

 

弓子が活版印刷で働く拘り、それまで支えてきた

お祖父さん、お祖母さん、そしてお父さんとの

思い出は切なくも心温まるものばかりで

活版印刷への愛情と温もりをより感じられました。

お母さんとの思い出が少ない弓子であったけれど、

お母さんの過去を辿ることから娘への愛情が

溢れ出ていて父親とはまた違った特別な愛情が

見られて感涙しそうでした。

この母がよく語っていた宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」

のことがよく出てきたのが印象的です。

特に

星は生きている。人と同じように。

生きて、光っている。

燃えている。生きているということは燃えていることだ。

熱くて苦しくて、だから輝いている。

星が燃える。人が燃える。

このことが出ている「星と暗闇」は宮沢賢治の世界を

銀河鉄道の夜の世界をよく知らなくてもとても理解しやすく

興味を持てて読めました。

 

そしてとても印象深い章だったのが、

タイトルにもなっている「空色の冊子」でした。

最近の本では東日本大震災のこともだいぶ描かれるようになり

読むことがしばしばありますが、

辛い、怖いというだけを描くだけでなく、

この作品ではそうではない物が伝えられていたことが

とても心に響きました。

その中の一節で

これからどうなるのかもわからない。

そんな時代を生きていかなければならない。

あせっちゃいけない。

あきらめもいけない。

たいへんなこともあるだろうけれど、

いつもとなりの人に手をさしのべよう。

となりの人の手をにぎろう。

どんなときにでも、勇気を持って、元気に進もう。

という文章がとても印象的で、

震災だけでなくとこのご時世を生き抜いていく人達に

送りたい言葉だと思い、

いつまでも心に留めておきたいと思いました。

 

とにかくこの作品は一つ一つの章に意味のある言葉が

沢山散りばめられていて、心が洗われて、心が温まる

といった簡単な言葉だけでは語りつくせないほどの

幸せな時間の流れを感じることが出来ました。

 

大人の方が読まれるのも勿論お勧めですが、

文章が明確で分かりやすく、

他の本の比べて漢字の読み仮名もかなり多く書かれいるので、

子供さんが読むのもお勧めかと思います。

 

活版印刷三日月堂シリーズの本編の方は

まだ読んでいないので益々読みたくなってきました。

 

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2020.02.19 Wednesday | 読書17:21comments(0) | - | by yumi

ほしおさなえ 活版印刷三日月堂 小さな折り紙

ほしおさなえさんの活版印刷所三日月同小さな折り紙を読みました。


内容
小さな活版印刷所「三日月堂」。

店主の弓子が活字を拾い刷り上げるのは、

誰かの忘れていた記憶や、言えなかった言葉―。

三日月堂が軌道に乗り始めた一方で、金子は愛を育み、

柚原は人生に悩み…。

そして弓子達のその後とは?三日月堂の「未来」が描かれる番外編。

 

マドンナの憂鬱

三真美十字星の下で

二巡目のワンダーランド

庭の昼食

水の中の雲

小さな折り紙

 

子供さんを含めた親子、家族を中心とした作品が多かったので、

子供さんを持った親御さんが読むとより子供さんへの想いや

親としての気持ちがひしひしと募る思いがすると思いました。

子供がいないので子供に対しての考え方、想い方は分からないですが、

自分が育ってきた状況を思い返しながら読むと、

二巡目のワンダーランドの気持ちが良く分かりました。

 

弓子さんの生い立ちや活字印刷への思いなどが

人との繋がりから伝わるものがあり、

活字印刷への考え方もまた変わりました。

 

ラストの章の「小さな折り紙は」では歳を重ねた園長先生が

卒園する園児に対する思いがそれぞれにあり、

細やかに気を配っていて、こんな風に思って園児たちを

今まで送ってきたと思うと胸がいっぱいにになり

遠い記憶であっても思い返してみたくなってしまいました。

 

どの章も心温まって、未来を見据えて微笑ましい光景ばかりが

ラストには見えていて心がほっこりとするばかりです。

そしてその中にも素敵な言葉がちりばめられていました。

印象的だったものは

やっぱり人生って冒険なんじゃないか。

予測しないことが起こるから、

それを乗り越えこともできる。

もちろんそこで終わっちゃう人もいる。

だけど完全にリスクのない人生を目指すのは、

つまらないことのように思う。

 

生きているものはみなあとを残す。

それも影のような頼りないものだけれど。

「印刷はあとを残す行為。活字が実体で、印刷された文字が影。

ふつうならそうだけど、印刷では違う。(中省略)

印刷された文字は、人が残した「あと」、

生きた証、その人がいなくなったあとも残り、人が影に、

文字が実体になる。きっとそういう意味なんだろう。

 

シリーズ作を読まずに番外編の未来から

読み始めてしまいましたが、

シリーズ作を読んでいなくてもこれだけで

十分に物語を味わえることの出来た作品でした。

これをきっかかけにシリーズの他の作品も読みたいと思いました。

 

 

初回盤は扉ページ入りで写真が掲載されていますが、

これも趣があって良いです。

 

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2020.02.16 Sunday | 読書19:38comments(0) | - | by yumi

荻原浩 ストロベリーライフ

荻原浩さんのストロベリーライフを読みました。(2020年2月12日読了)


内容
農業なんてかっこ悪いと思っていた―父親が倒れ、

やむなく家業の農業を手伝う恵介。

両親は知らぬ間にイチゴの栽培にも手を出していた。

農家を継ぐ気はないが目の前のイチゴをほうっておくことはできない。

一方、東京においてきた「農業反対」の妻との間にミゾができ始め…

富士山麓のイチゴ農家を舞台に、これからの農業、

家族の姿をみずみずしく描き出す感動作。

 

都会でデザイナーとして働いていた恵介。

ところが父親が倒れてから家業の農業を

やもえなく手伝うことから

農業の大変さ遣り甲斐を感じていくうちに、

人生の再生、家族の絆などを描いた物語。

 

両親が農家をしていると小さい頃から農業の大変さというのを

目の当たりにしているので、農業なんてかっこ悪いと思ったりして

家業であっても継ぎたがらないのは昔からだと思います。

だから徐々に日本でも農家が減り始めているという

深刻な状況になってきています。

けれど恵介のように農業が嫌だということも含めて

そこから脱するということで都会に出て一流な仕事と

言われている仕事について成功したと思っていても、

歳を重ねたことによって改めて農業を見つめ直したり、

両親の今までの大変さというのを感じることになり

自分の人生と重ね合わせながら思いを馳せることがあるかと思います。

恵介のように一度、人生の壁にぶつかったとしても、

また新しい気持ちでやり直していこうという気持ち。

農業に限らずにこうゆう気持ちが大切だと思わされました。

 

けれど自分の夢を叶えるために奥さんと子供が

常に賛同してくれるのならば心強いかと思いますが、

恵介の場合は純粋な都会育ちの奥さんとこともあったり、

仕事のこともあったので一筋縄ではいかなかったですが、

恵介の心の中には常に家族と一緒という考えかがあったので、

ラストには清々しく明るい光景が見えたので良かったです。

 

素敵なラストを迎えるにあたって

恵介と美月の言葉の端々にお互いを必要とされる言葉があり、

ささやかだけれど、素敵な言葉だったので心に留まりました。

美月の言った

ただいま、って言える家は一軒だけにして欲しい。

恵介の言った

夫婦は一人じゃうまく前には進めない、

二人漕ぎのボートだと思うから。

 

今回の作品では主な舞台が静岡になるので、

静岡弁がよく出てきたり、擬音が程よく入ってきて

ほのぼのさが出てきたりして、家族間のピリピリした

ムードの中にも温かさを感じられました。

 

荻原さんの作品は好きなので何冊も読んでいますが、

これも読みやすくて心がとても温まり、

自然の恵みは良いなと思えました。

 

あとがきには荻原さんのイラスト入りの

おいしいいちごの見つけ方について描かれているので、

苺のシーズンになったら苺狩りに行きたい気分になったり、

苺を食べる時にはこの作品の事を思い出しそうです。

 

 

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2020.02.13 Thursday | 読書16:20comments(0) | - | by yumi

坂木司 何が困るかって

坂木司さんの何が困るかってを読みました。

 

内容

小説でしか表現できない〈奇妙な味〉が横溢した、

短いけど忘れがたい、不思議なお話を読んでみませんか?――

子供じみた嫉妬から仕掛けられた「いじわるゲーム」の行方。

夜更けの酒場で披露される「怖い話」の意外な結末。

「鍵のかからない部屋」から出たくてたまらない“私"の物語――ほか、

日常と非日常のあわいに見える19の情景を様々な筆致で描きだす。

『青空の卵』や『和菓子のアン』の名手による、珠玉のショートストーリー集。

 

「和菓子のアン」シリーズを読んで好きになったので、

次にこの作品を手に取りました。

 

主人公の設定が男性なのか女性なのか分からなかったり、

話の途中からからりと印象が変わっていったりと想像を超える

予想外な展開にショートストーリーが変わるごとにゾクゾクと

してしまいました。

ショートストーリー集ですがミステリー、

ホラー、SF、ファンタジーなどとの要素がたっぷりで

その中に時にはブラックユーモアも含まれていてまるで

小説のおもちゃ箱のようで楽しめました。

 

不気味な印象やイヤミスなどとインパクトの強いものが

けっこうあり、中でも背中がぞっとしたものは

ぶつり、都市伝説、ちょんはかなり後まで尾を引きました。

そんな中でもハートフルなものがあり、

勝負、リーフは何処か幼い頃の思い出のようにほろりとしました。

洗面台は読み始めは少し気分があまり良くなかったですが、

中盤を過ぎてくると洗面台の気持ちが上手く描かれていて、

洗面台を思わず見直したくなってしまいました。

 

「和菓子のアン「」を読んで心がほっこりするイメージで

この作品を読んでいたので、

こんなに違う印象だった作品というのも珍しいので、

坂木さんのまた違った世界が知れて良かったです。

 

こうゆう独特な世界感もまた面白そうなので

何となく癖にもなりそうな気がしてきました。

 

生活のちょっとした隙間からこんなショートストーリーが

集めるなんて本当に不思議な作品集で楽しめました。


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2020.02.06 Thursday | 読書21:53comments(0) | - | by yumi

早見和真 店長がバカすぎて

早見和真さんの店長がバカすぎてを読みました。

 

内容

「幸せになりたいから働いているんだ」
谷原京子、28歳。独身。とにかく本が好き。
現在、〈武蔵野書店〉吉祥寺本店の契約社員。
山本猛(たける)という名前ばかり勇ましい、「非」敏腕店長の元、
文芸書の担当として、次から次へとトラブルに遭いながらも、
日々忙しく働いている。
あこがれの先輩書店員小柳真理さんの存在が心の支えだ。
そんなある日、小柳さんに、店を辞めることになったと言われ……。

本屋大賞にノミネートされていたので手に取りました。

タイトルもかなりインパクトがありましたが、

内容もそれに負けないくらいの面白さで

一気に読んでしまいました。

 

書店で働く女性契約社員を主人公として

武蔵野書店が舞台となり本を愛する人達の物語となっています。

 

書店の表舞台と裏側のバッグヤードでのやり取り、

無理矢理なお客さんからのクレーム、

困った店長、意味の分からない社長などと

一般的にもある職場でのトラブルがここでも繰り広げられて

いて、それがリアルに描かれていて興味津々でした。

 

けれど主人公の京子はどんなに辛く苦しい状況で

「いつもでも辞めてやる。」と強く思っていても

書店員ということを通り越して、本が好きだからこそ

という強い心があったからここまで耐えられることができる

ところが愛らしかったです。

 

所々で主人公だけでなく

他の書店員も本が好きだという熱意が

感じられる言葉あったのが印象深いです。

中でも

一人の小説家にしか生み出せないものがあるように、

一人の書店員さんにしか良さを

伝えられない作品があるかもしれないし、

そうあるべきなんじゃないかって私は思ってます。

 

それでも私は本が好きだった。

インクの香りが、

紙の手触りが、

何よりも物語そのものが大好きで、

その理由だけで戦えた。

 

私がこんなふうに日々の理不尽に耐えられるのは、

当たり前だけれど幸せになりたいからだ。

好きな本たちに囲まれ、

好きな物語を好きな作家から受け取って、

愛すべきお客様のもとへ大切にお届けする。

 

このような事から改めて

本が好きだというを再認識させられて、

本の有難みを感じられて、

これからは今まで以上に本を大事にしながら

読んでいる時間を大切にしたいと強く感じました。

 

それにしても店長と社長のバカさ加減には

大笑いしてしまいました。

こんな人達が自分の上司だったらと想像すると

とても働く気にはならないです。

けれどラストには本の帯の通しのように驚愕のサプライズで

吃驚仰天でした。

 

早見さんの作品は「イノセントデイズ」を読んだことがあり、

その作品の印象が強かったので、

今回の作品では全然違ったテイストなのでこれもまた驚きでした。

こんなにも作風が違うものが書けるのも素晴らしいと思いました。

 

この作品はエンターテインメント性の強い作品だと思うので、

映像化するともっと面白いかと思いました。

他の本屋大賞ノミネート作品を2作読んだものと比較すると

またテイストが全然違うので受賞作品を選ぶのは難しいです。

 

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2020.02.04 Tuesday | 読書16:07comments(0) | - | by yumi

柚月裕子 パレートの誤算

柚月裕子さんのパレートの誤算を読みました。

 

内容

ベテランケースワーカーの山川が殺された。

新人職員の牧野聡美は彼のあとを継ぎ、

生活保護受給世帯を訪問し支援を行うことに。

仕事熱心で人望も厚い山川だったが、訪問先のアパートが燃え、

焼け跡から撲殺死体で発見されていた。

聡美は、受給者を訪ねるうちに山川がヤクザと

不適切な関係を持っていた可能性に気付くが…。

生活保護の闇に迫る、渾身の社会派ミステリー!

 

福祉課に配属された新人職員が殺されたケースワーカーの

後を継ぎながら、生活保護の暗部に迫る社会派ミステリー。

 

生活保護の不正受給に対しての問題は時々耳にしたこともあるので、

とても重い事がテーマになっているのでとても興味深く読めました。

 

福祉関係の仕事に就きたいと思っていた主人公の聡美が

就いた先は市役所の社会福祉課の生活保護課のケースワーカー。

ケースワーカーひとりひとりに対応していかなければ

ならない仕事で様々な事情を抱えている人ばかり。

そこへ新人の聡美が配属されたとなるとかなりの重圧で

生活保護の闇や社会福祉の現状をまざまざと突き付けられて

前半なではどうなってしまうのだろうと思ってしまいました。

 

けれど一つの事件が起きたことで、

徐々に聡美の心が変化していき、ケースワーカーとしての

プライドが出てくる所は力強さ、

誇りらしさがよく表れて成長ぶりが見れました。

 

中盤からはミステリーを特ポイントが重要になっていく

展開になっていって一気に読んでしまいました。

 

生活保護の在り方には色々と問題があり、

不正受給の裏にはまた闇のビジネスなどがあり

自分の力で生きていくためには人は

何でもしてしまう恐ろしさがりました。

けれど生活保護が無ければ自分の力で生きていけない

人達もいるということも忘れてはならないので、

生活保護の仕方の難しさがあるのだと思わされました。

 

タイトルにもなっているパレートの法則。

ある分野における全体の約八割を全体の一部である

約2割の要素が生み出しているという

イタリアの経済学者の統計モデルの理論。

そしてこれにあたる働き蟻の法則

ある一定のよく働く蟻と、働かない蟻に分かれる。

そこで働かない蟻を取り除き、働き蟻だけにしてみると、

勤勉な蟻だけにしても、その中の二割程度は

働かなくなるという結果。

これが世の中には一部の人間で成り立ち、

残りの人間はさほど役に立たっていない

という見解になっていますが、統計上だけでなく

聡美のように例えな怠けているようにしか見えないもので

あったとしても、一人一人は懸命に生きてが少しでも

社会と繋って生きていると思いたいです。

人間社会は蟻や数式、法則で成り立つものではないと

心から思いました。

 

柚月さんの作品が好きになり最近では何冊か読んでいますが、

こちらも骨太でしっかりとした重厚な構成になって読み応えがあり、

テンポ良く繰り広げられていたミステリーでした。

益々他の作品も読みたくなりました。

 

3月にこちらの作品がWOWOWでドラマ化されるようなので、

それも観てみたいと思います。

 

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2020.01.29 Wednesday | 読書22:49comments(0) | - | by yumi

古内一絵 さよなら夜食カフェ マカン・マラン おしまい

古内一絵さんのさよなら夜食カフェ マカン・マランおしまいを読みました。

 

内容

「好きなもののある私たちは、強いはずよ」ラジオ化&重版続々の大人気シリーズ、遂に完結!

これまで、苦しんできた人達を救ってきた「マカン・マラン」の店主・シャール。

今回、シャールを訊ねてきたのは謎の美青年。

彼の決意や未来の話を聞く中で、

シャールはこの夜食カフェを始めたきっかけを思い出す――。

 

第一話 さくらんぼティラミスのエール

第二話 幻惑のキャロットケーキ

第三話 追憶のたまごスープ

第四話 旅立ちのガレット・デ・ロワ

 

これまでのシリーズを読みついに最終巻になりました。

次はどんな心の癒され方、心の温まり方なのだろうかと

作品が始まるごとにワクワクしました。

 

そしてこれが最終巻だと思うと丁寧に読まないと

もったいないと思いつつも先が気になってしまい

どんどんと早く読んでしまいました。

 

今回はこれまでに登場した人物が更に出ていて、

あらゆる所で過去の登場人物が接点になっていて

出逢える楽しさがありました。

シャールの体調も一時はどうなるかと心配でしたが、

徐々に良くなっていって本当に良かったと思いました。

 

今回も素敵な言葉が沢山散りばめられていて、

中でも印象的だったのは

自分を憐れみたくなったら、誰かに八つ当たりしたり、

甘えないで、自分で自分の機嫌を上手に取って元気になる。

それこそが、大人の嗜みというものよ。

 

人は誰かに見送ってもらえれば、

案外、次の一歩をしっかりと踏み出せるものよ

 

何かを得るたびに、

何かを失いながら、

明確な答えのない毎日を懸命に生きている我々は、

それだけ勇敢だ。

 

どの章でも考え深いものがありましたが、

ラストの章の「旅立ちのガレット・デ・ロワ」は

この作品のラストに相応しく、全てが素敵な言葉で埋め尽くされて

ぎゅっと今までの事を濃縮されたように濃い内容でしたが、

悲しい旅立ちではなく明るく未来のある旅立ちに

乾杯をしたくなる気分でした。

 

食を通して心と身体の健康を知ることができ、

そしてシャールから人生の生き方、考え方などと

素敵で幸せな時間が沢山いただけました。

この本のシリーズを最後まで読めて本当に良かったと思えます。

 

これまで読んだ素敵な言葉を忘れないように、

いつまでも心に留めて、

またゆっくりと再読してみたいと思います。

 

もし出来ることならば、

また何処かでシャールさんに出逢えたら良いなと

密かに願っています。

 

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2020.01.22 Wednesday | 読書22:19comments(0) | - | by yumi

岩井俊二 ラストレター

岩井俊二さんのラストレターを読みました。

 

内容

「君にまだずっと恋してるって言ったら信じますか?」

亡くなった姉の未咲の代わりに同窓会に出た裕里は、

初恋相手の鏡史郎と再会し、

姉のふりをして文通を始める。

手紙は姉妹の娘たちをも巻き込み、

二つの世代の時間を動かし始めた

―不朽の名作『ラヴレター』から24年の時を経て贈られる、

岩井美学の到達点。

 

映画の公開のCMを観て気になったので手に取りました。

 

「これは君の死から始まる物語だ。」

という言葉から始まり、何か重いものを突き付けられたような

ものを感じながら淡々と物語は進んでいき、

ラブレターを読み上げてられたような感覚になりました。

 

主人公は売れない小説家、中学校時代の初恋の人の想いをいつまでも

引きずりながら、同窓会へ行き、そこで彼女の妹と再会。

何故か妹は姉のふりをして文通を始める。

そこから物語が過去と現在、表と裏を交差しながら

展開されていき、ノスタルジックな雰囲気や

少しロマンチックな雰囲気などがあり、

点かず離れず、近くて遠いというようなものもあり

これが大人のラヴレターなのかなとも思いました。

 

あまりにも主人公が中学時代の初恋の想いを続けているので、

切なすぎて最後には自らの命も危ういのではないかと

思いながら読みました。

もう中学校を卒業してから何十年の年月が経っているのに、

これほど一人の一人を想い続けるなんて

本当に凄いと思ってしまいます。

というか中年の男性というのはこれほどまでロマンチックに

考えてしまうのかとも思えてしまいました。

もしこれが女性だったらもう少し話の展開が変わるかとも

想像してしまいました。

 

この世は何もかもが偶然だ。

偶然の集積によってこの世界は出来上がっている。

だからその出来事ひとりひとりが、

かけがえのないものかもしれない。

この言葉が印象的で、

この後からの主人公の行動が今までとは少し

違ったので今後がとても知りたかったです。

 

今はネットの時代でこの作品の中に出てくるような

手紙でラブラヴレターを書く人は殆ど

いなくなってきていると思います。

だからこそこんな時代だから手紙の良さがより分かり、

手紙を通じることで彼女と繋がり、

そして自分の想いも彼女の想いもしっかりと

反面教師となって自分に降りかかることになってより現実的で

意識の再確認だと思えます。

なのでこうゆう大事なことはネットなどに頼ることはなく、

自分の心を込めた作業で相手に気持ちを伝えることを

大切にして欲しいなと思いました。

 

以前の「ラヴレター」は本で読んだことはなく、

確か映画版で少し観たような記憶がありますが、

どんな作品だったかはあまり覚えていないです。

けれど岩井監督の世界感は他の映画などでの

何となく知っていて独特なので、

この作品だけで評価をするのはとても難しいです。

 

ただ彼女の手紙の中で

何で二人で作った答辞の原稿を我が子二人に送ったのかが

とても気になります。

 

この独特な雰囲気は本だけでは分からないので、

機会があったら映画も合わせて観てみたいと思います。

 

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2020.01.20 Monday | 読書00:07comments(0) | - | by yumi