カミュ ペスト

カミュのペストを読みました。


内容
アルジェリアのオラン市で、ある朝、

医師のリウーは鼠の死体をいくつか発見する。

ついで原因不明の熱病者が続出、ペストの発生である。

外部と遮断された孤立状態のなかで、

必死に「悪」と闘う市民たちの姿を年代記風に淡々と描くことで、

人間性を蝕む「不条理」と直面した時に示される人間の諸相や、

過ぎ去ったばかりの対ナチス闘争での体験を

寓意的に描き込み圧倒的共感を呼んだ長編。

 

コロナ禍というご時世になり、

新聞、雑誌などの各メディアで注目されているというので

店頭で平積みになっていたので手に取りました。

 

カミュというとアルベルトカミュの「異邦人」。

学生の時に読んだ記憶も定かではないですが、

カミュは有名な作家ということだけは覚えていました。

 

今回のストーリーは感染病によって人は混乱させられたら、

封鎖された街で人はどのような行動を取るということが

テーマになっていたので現在の状況と重ね合わせながら

読み進めていたのでとてもリアリティがありました。

ペストという病気を何となく朧気ながら知っていた

だけだったので、その病状を刻々と描かれていたのは

かなりグロテスクで読んでいるのがとても辛かったです。

けれどそれが過去の歴史にはこれによって多くの人達が

命を奪われたり、それにより家族、友達などと

愛する人達が奪われてしまったという事実があったということが

とても辛く重くのしかかります。

 

時代背景や宗教や置かれた全ての環境が違っていても、

この時代に取られていた行動が現代の何処の国でも

同じ状況というのが何とも人間らしいというべきか、

どんな時代でも変わることができないものなのだと

納得させられた気がしました。

 

フランス文学ということもあり表現の仕方が独特であったり、

宗教上の事や当時の時代背景などが入ってきているので、

最近の読みやすい小説ばかり読んでいる私にとっては

内容がなかなか頭に入らなくて文字を追っていくだけ

文章を咀嚼しきれなかった程難しい内容でした。

 

この苦しい状況の中で様々な行動を取っていた人達ですが、

主人公でもある医師は医師としてのポリシーを持ちながら

淡々と治療などをこなしていく中、やはり医師も一人の

人間であって苦しみを持って患者に寄り添いながらも

一方では何処か冷静に自分を見つめている人がいて

これが医師の本心なのかもと思えてなりませんでした。

 

いくら新興している宗教があり、

それにすがったりお祈りをしたりしても、

やはり医師としての現実をまじまじと見ることによって

本来の心が出てしまうと思いました。

けれどこれが悪いとも思うこともなく、

これが真実なのだと思ってしまったら

それに従うしかないのかと思ってしまいました。

 

ペストは想像を絶する感染病であることがこの作品の

中からはよく分かり、感染状況が変わるごとにまた

人の心も揺れ動き、望みであったものも絶望をし、

今まで普通に芽生えていた平和や愛情というものが

ある所から突然失いかけてしまうというところが

一番人間としては怖いものだと思わされました。

 

ラストに例え終息されたと思われるペストであっても、

またいつの日か幸せだった日が失われる日が

来るかと思うと覚悟しながら

また生きていくと言葉がずっりしと現実味が増して

感染病の恐ろしさを伝えていた気がします。

 

まずは普通に暮らしていける日常に感謝すると共に、

まだ終わらない新コロナとの共存していく方法を

改めと冷静になって考えさせられました。

 

まだ十分に理解できていない部分が多いので、

また再読してみたいと思います。

 

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2020.06.06 Saturday | 読書15:51comments(0) | - | by yumi

井上ひさし 十二人の手紙

井上ひさしさんの十二人の手紙を読みました。

 

内容

キャバレーのホステスになった修道女の身も心もボロボロの手紙、

上京して主人の毒牙にかかった家出少女が弟に送る手紙など、

手紙だけが物語る笑いと哀しみがいっぱいの人生ドラマ。

 

井上ひさしさん没後10年ということで帯には名作ミステリ

どんでん返しの見本市だ!!と書かれているのに惹かれて

初めて井上さんの作品を手に取りました。

 

井上さんというと演劇人、戯曲というイメージであまり小説

を書くというイメージが無かったので新鮮味があり興味深かったです。

 

書簡式の小説は何冊か読んだことがありますが、

同じようなタイプの湊かなえさんの「往復書簡」の

ような物を想像していましたが、

初めのプロローグから十二人の手紙を経て、

エピローグに至るまでの展開が見事に組み立てられていて、

帯の通りにどんでん返しというか、ドキドキ、ワクワク感が

かなり多くて面白かったです。

 

十二人の手紙の内容は人間模様をかなり深く描かれた

ものであったのでダークな部分もありますが、

ブラックジョークが効いたような感じでもあり

劇作家として活動されていただけあって

人間模様が深いのかと思わされました。

 

往復書簡のように手紙文になっているものが多かったですが、

中には出生届、死亡届、死亡診断書、洗礼証明書、

婚姻届、罹火災証明書などと公式の書類だけで

ストーリーを構成させるものがあって

この巧みな手法には唸らせるものがありました。

人生が公式の書類だけで説明できてしまう

人生というのも何だか怖いような気もしました。

 

没後10年と言われても作品にはそれ程古さを感じることもなく、

男女のすれ違いや人の交わりなどがつぶさに見れたので

時代が変わっても人間の根底にあるものは

それ程変わらないものなのだと思いました。

 

エピローグを読んでからはまた初めから

読み返したくなり、一度読んでからも

二度読みたくなる作品だと思うので、

まだ井上さんの作品を読んでいない方には

お勧めな作品だと思います。

 

 

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2020.05.27 Wednesday | 読書13:34comments(0) | - | by yumi

ほしおさなえ 活版印刷所 三日月堂 雲の日記帳

ほしおさなえさんの活版印刷三日月堂 雲の日記帳を読みました。


内容
小さな活版印刷所「三日月堂」。

店主の弓子が活字を拾い刷り上げるのは、

誰かの忘れていた記韻や、言えなかった言葉。

仕事を続ける中で、弓子が見つけた「自分の想い」と、

「三日月堂の夢」とは―。

感動の涙が止まらない、大人気シリーズ完結編!

 

星をつなぐ線

街の木の地図

雲の日記帳

三日月堂の夢

 

第1弾、第2弾、第3弾と読み進めてきて

ついに完結編に突入し弓子の活版印刷に対する思いや

今まで弓子と繋がってきた人達がまたここへと自然に

集結をしてそれぞれの未来に向けての展望が見えて

とてもラストに相応しいストーリーでした。

 

どの章も良かったですが、

印象的だったのは「雲の日記帳」と

「三日月堂の夢」でした。

この作品のタイトルにもなっている「雲の日記帳」。

三日月堂の作品の中では星空がよく出てきますが、

ここでは雲日記が中心となり今まで何気なく見ていた

雲をこんな風に細かな表情として描かれているのを読んで

雲を見る気持ちが変わりそうな感じがしました。

そしてこの雲日記を書いていた主人公の命が

あと少ないと言われながらも初めは何もかもに

消極的な気持ちだった人が、新たな出会いを経験して

今までの気持ちを一層するかのように最後まで

自分と葛藤しながらも生き生きと過ごしていた姿には胸を撃たれ

涙をそそられました。

「雪の形を見ながら思ったんです。

 水は地球をめぐっている。

 雨や雪になって、地上に流れて、海になって、雪になる。

 わたしたちの生きものの身体は水でできている。

 人が生きるというのは、雪になる練習のようなものかもしれない。」

この自然の流れが自分の中にも備わっているのかと

思う自分が何故生きているかという問いにふと答えて

くれたようにも思えて自然に納得してしまいました。

 

今回も素敵が沢山散りばめられていて、

どれも心に留めておきたいものばかり詰まっていました。

中でも

「人間が生きていくためには、

 自己主張も必要ですけど、調整も必要なんじゃないですか。

 年齢を重ねるほど、そっちが重要になる気がするんですけど。」

 

「夢だけがその人の持ち物なんじゃないかな、って。

 形のない夢だけがその人の持ち物なんですよ。」

 

活版印刷三日月堂を舞台としながら

様々な過去を持ったり、現在を生きていく人達が、

互いに思い合いあいながら支えて悩みや苦しみを

自然に取り除いてしまっている。

そしてまた新たに弓子は活版印刷に対しての

益々の意欲が湧き大きな夢を描いて新しい

パートナーを得てスタートしていこうとしているのを

見届けることが出来てこれまで以上に心がほっこりと温まりました。

 

心が温まりながらも人生の歩き方、

そして困難に遭った時への優しい言葉など

活版印刷三日月堂のシリーズの作品では色々を

学ぶことが出来て本当に良かったです。

そして言葉、文字、古き時代を大切にしていく心を

いつまでも忘れずに生きていきたいなとも思いました。

 

これだけ心の温まるシリーズの作品なので

いつか映像化してもらっても良いなと思いました。

その時には是非観てみたいと思います。

 

これで活版印刷のシリーズが終わってしまうのが

本当に惜しい気持ちで一杯です。

また何か番外編があったら楽しみにしています。

 

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2020.05.13 Wednesday | 読書13:51comments(0) | - | by yumi

凪良ゆう 流浪の月

凪良ゆうさんの流浪の月を読みました。


内容
あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。

わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。

それでも文、わたしはあなたのそばにいたい―。

再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、

運命は周囲の人を巻き込みながら疾走を始める。

新しい人間関係への旅立ちを描き、

実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。

 

2020年本屋大賞を受賞された作品なので手に取りました。

初めての作家さんでストーリーも予め知らないで、

何も情報を入れないでまっさらな状態で読み始めました。

想像していたストーリーとはあまりにも違っていて、

読み進めるごとに心を鷲掴みされてどんどんと引き込まれて、

中盤以降は一気に読んでしまいました。

 

現実的には絶対にあり得ない設定だと思いますが、

この作品のように同じような事件に巻き込まれた人がいたとしたら、

もしかしたらニュースや報道で語られているものとは

違う事実があるのかもしれないと思ったり、

これもまたいけないことだと思ったりしますが、

暗く嫌な印象にしかない事件であっても

もしかしたら明るい部分もあったら良いのかもしれないという

微かな望みみたいなものも考えてしまいました。

 

主人公の女性が育てられた環境は他の人から見たら

少し変わった環境だったかもしれないですが、

それが彼女にとっては今までは居心地の良い場所で何の不満もなく

暮らしていた場所が突然無くなってしまうという状況は

まだ幼い子供からしてみればどんな理由があろうとも

理解しがたく受け入れるのには難しいというのが

この作品ではよく描かれていて胸が痛む思いです。

 

そしてひょんなことから歳の離れた男性と知り合って、

自分とは真逆な人間のような人といるのにも関わらず、

そこからは何も違和感が無く、自分の心を自由にしていられる

場所になっているというのが意外な展開でした。

 

女性が事件から救い出されても、

事件から何十年も経過していても自分では忘れたくても

忘れられない、そしていつまでも残ってしまうデジタルタトゥー。

この作品の中では事件と思われたいたことよりも、

事実の事を言えなかったという苦しみがずっと忘れられなく

それによっていくつかの苦しみを抱えることになってしまい

本当に読んでいて辛かったです。

 

女性だけでなく、事件の犯人とされてしまった青年。

こちらもいくつかの辛い過去から現在に至るまでの病気など

状況を知るごとに同情してしまうことばかりでした。

 

この二人に共通して言えることは、

とにかく少しでも気持ちが楽になりたくて、

自分を騙し続けることをやめたいという気持ちが

強くて、その気持ちを貫くために生きていたような気がしました。

 

単なる誘拐事件の加害者と被害者としてストーリーを

追っているのではなくて、男女や家族という何かの形や枠に

とらわれたものではなく、それを超越して

一人の人間としての愛や生き方を描いた作品だと思いました。

 

言葉では理解しがたく、

周囲には誰も信じてもらえる人がいなくても、

二人だけが本当の真実を知り、

それを二人だけで助け合えて生きていけるのであれば

それが真実だと思えました。

ラストまで二人の世界をそっとして見守っておきたいという

気持ちになりいつまでも余韻が残りました。

一言では語り尽くせないほどの満足感でした。

 

この作品のテーマとしては現代に溢れている

ネグレクト、家庭内病力、虐待、小児性愛などと

様々なことこが盛り込まれていると思いますが、

それが文章では嫌悪感が無く入り込んで読むことが

出来ていたので表現力が素晴らしいと思いました。

 

とてもインパクトのある作品ですが、

描写も細かく描かれていて読みやすかったので

これをきっかけに他の作品も読んでみたいと思いました。

 

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2020.05.09 Saturday | 読書15:08comments(0) | - | by yumi

ほしおさなえ 活版印刷 三日月堂 庭のアルバム

ほしおさなえさんの活版印刷 三日月堂 庭のアルバムを読みました。


内容
小さな活版印刷所「三日月堂」には、今日も悩みを抱えたお客がやってくる。

店主の弓子が活字を拾い刷り上げるのは、

誰かの忘れていた記憶や、言えなかった想い。

しかし三日月堂を続けていく中で、弓子自身も考えるところがあり…。

転機を迎える、大好評シリーズ第三弾!ブクログ1位、読書メーター1位、

第5回静岡書店大賞、第9回天竜文学賞、4冠!

 

チケットと昆布巻き

カナコの歌

庭のアルバム

川の合流する場所で

 

第1弾、第2弾と読み進めてきましたが、

この第3弾になりより弓子の活版印刷の対する思いが

核心へと迫ってきて文字に対する思いがより一層

強くなってきていることがうかがい知ることが出来ました。

 

どの章の物語も心温まるものばかりでしたが、

第2章「カナコの歌」は胸に迫るものがあり、

涙無しでは読めない程の感動作でした。

この作品の中での言葉はどれも心に響き、

今までの自分の現在と過去とも比べてしまうほど

考えさせるものもありました。

そんな素敵な言葉の一説が、

「ここにいるどの人にもその人の暮らしがあり、

 たくさんの過去といまを抱えて生きている。

 少しずついろんなものを失っていくけれど、

 世界は続いていく。

 だからできるだけのことをしなくてはならない。

 ひとつ、ひとつ、自分の仕事を。」

 

そしてその他の作品中でも

「人生はきっとただの苦しい道なんだろうけど、

 歩いていれば素晴らしいことも起きるかもしれない」

という言葉もこのご時世で読んだからこそ沁みる言葉でした。

 

弓子の母親に対する想いから、

思いを文字にして世に残すということに対して

弓子だけでなくその他の知人たちにも様々な影響を

及ぼすことが出来て、これがかえって良い影響に

広がっているのが微笑ましく思えました。

 

舞台は川越となっていますが、

母親のルーツを訪ねることから盛岡が登場してきて、
これがまた共通した風景と詳細な描写でかなりリンクした風景が
またこの物語の味わいが良くなって、
母親が様々な思いを馳せていたことが知れて良かったです。 

 

活版印刷を読み進めていくと、

文字を通して人生の教えてや人の温もりなどが

言葉では語りつくせなく、じんわりと伝わってきて

読了後には優しい気持ちになれるのが嬉しいです。

このまま次のシリーズも読み進めていきます。

 

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2020.05.03 Sunday | 読書18:13comments(0) | - | by yumi

長岡弘樹 教場0 刑事指導官・風間公親

長岡弘樹さんの教場0 刑事指導官・風間公親 を読みました。

 

内容

T県警が誇る「風間教場」は、キャリアの浅い刑事が突然送り込まれる育成システム。

捜査一課強行犯係の現役刑事・風間公親と事件現場をともにする、

マンツーマンのスパルタ指導が待っている。

三か月間みっちり学んだ卒業生は例外なく

エース級の刑事として活躍しているが、

落第すれば交番勤務に逆戻り。

風間からのプレッシャーに耐えながら捜査にあたる新米刑事と、

完全犯罪を目論む狡猾な犯罪者たちとのスリリングな攻防戦の行方は!?

テレビドラマ化も話題の「教場」シリーズ、

警察学校の鬼教官誕生の秘密に迫る第三弾。

 

木村拓哉さん主演のドラマを観て原作が読みたくなり、

教場を読了し、この作品を手に取りました。

教場はは警察学校での鬼教官としての事が主に

書かれていましたが、教場0では鬼教官になる前の

エピソードが書かれていて秘密の過去が書かれています。

 

この作品では警察学校の時よりも

刑事指導官ということもあって実践的な指導が主だったので、

かなり事件現場でのやり取りや口調や描写などは

生々しく、緊迫感がありかなりスリリングでした。 

 

警察学校の時にも警察官としてふさわしい者がなるべき

であって、ふさわしくない者はとことん篩にかけて

排除していくという姿勢はこの作品の中でも

信念として変わらないです。

けれどこの信念の根底にあるものは、

風間のシンボルともなっている義眼が意味しているものであって、

この義眼になってしまった過去があるからこそ

警察官のポリシーが根付いていると思えました。

ある意味ここまで警察官という仕事を全うしている

人というのは凄いとも思いました。

 

各話のタイトルが「刑事コロンボ」へのオマージュ

ということもあってこれがなかなかツボを得ていて

面白く読み進めることが出来ました。

 

どのストーリーもミステリー性もありながら

刑事指導官として視点でも書かれれいたので、

引き込まれていきましたが、

第五話の「指輪のレクイエム」がこの作品の中で

悲しくも切ない案件で少し感涙しそうなほど印象深かったです。

 

教場0を読むことによってただ鬼教官だけでなく、

更に風間教官の人間味が深堀りされて、

所々に優しさや温かみも感じられて良かったです。

 

風間教官の義眼の意味と過去のエピソードが

しっつかりと探ることが出来た一冊でした。

益々教場シリーズの続きが読みたくなります。

 

教場もドラマ化が良かったですが、

どちらかというとこちらの「教場0」の方が

ドラマ化した方がもっと面白いかとも思うので、

また映像化になるのを楽しみにしたいと思います。

 

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2020.04.29 Wednesday | 読書15:54comments(0) | - | by yumi

長岡弘樹 教場

長岡弘樹さんの教場を読みました。
内容
希望に燃え、警察学校初任科第九十八期短期過程に入校した生徒たち。

彼らを待ち受けていたのは、冷厳な白髪教官・風間公親だった。

半年にわたり続く過酷な訓練と授業、厳格な規律、

外出不可という環境のなかで、

わずかなミスもすべて見抜いてしまう風間に睨まれれば最後、

即日退校という結果が待っている。

必要な人材を育てる前に、不要な人材をはじきだすための篩。

それが、警察学校だ。

週刊文春「二〇一三年ミステリーベスト10」国内部門第一位に輝き、

本屋大賞にもノミネートされた“既視感ゼロ”の警察小説、待望の文庫化!

木村拓哉さん主演でドラマ化されたのを観てみたら
面白かったので原作を読みたくなり手に取りました。

今まで様々な警察が舞台になった作品を読んだことがありますが、

警察学校の内部を描いたものを読んだことがなかったので

興味深く面白かったです。

 

教官の風間が殺伐として何処か冷酷なような雰囲気。

そして警察学校という独特な世界ということもあり、

文体もさっぱりして淡々と描かれていたので、

更に不気味さを増して怖さが増しました。

 

鬼教官としての風間なのか、

それともただの嫌がらせとしての教官なのかと

ギリギリな線の危うさですが、

この冷酷さの根底には警察官として活躍する時に

いかに実践では過酷な世界ということを伝えたくて

このような人物になっているのかと思ってしまいました。

 

登場する警察学校の生徒たちが教官の鋭い言葉、

洞察力に翻弄されていましたが、

徐々に警察官らしく成長していく姿は微笑ましく

逞しくも思えました。

普段見ている警察官とはまた違った印象で、

こんなにも法律や科学的、推理力などと

頭を使うことばかりなので見る目が変わりました。

 

ドラマのミステリー性と緊迫感が損なわれていなかったので、

原作を読んで良かったです。

 

続編もまだ読みたいと思っているので

読み進めていきたいと思います。

 

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続いて教場0も読みます。

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2020.04.23 Thursday | 読書22:36comments(0) | - | by yumi

角田光代 トリップ

角田光代さんのトリップを読みました。


内容
普通の人々が平凡に暮らす東京近郊の街。

駆け落ちしそびれた高校生、クスリにはまる日常を送る主婦、

パッとしない肉屋に嫁いだ主婦―。

何となくそこに暮らし続ける何者でもないそれらの人々がみな、

日常とはズレた奥底、秘密を抱えている。

小さな不幸と小さな幸福を抱きしめながら生きる人々を、

透明感のある文体で描く珠玉の連作小説。直木賞作家の真骨頂。

 

空の底

トリップ

橋の向こうの墓地

ビジョン

きみの名は

百合と探偵

秋のひまわり

カシミール工場

牛肉逃避行

サイガイホテル

 

東京近郊のとある街を舞台にして

平凡に暮している交錯した人々の暮らしが綴られている短編集。

どれも特にこれといった結果や発展性のある作品ではなく

淡々と人間模様が綴られています。

どこにでもありそうなありふれた生活の

一部分が切り取られていて、殺伐した中にも

心の底で何か熱い物が感じられるような気がして、

知らないうちに心をぎゅっと引き込まれたように

なってしまいました。

 

印象的だった作品は「秋のひまわりの中」

消沈していた母親に対しての気持ちが、

今までは小学生らしい少年としての心情や行動でしたが、

あることによってそれが

「ぼくは突然、畳にぺたりと

横座りしていた女の人を、思い切り抱きしめてあげたくなる。

抱きしめて、そうゆうことってあるんだよと言ってあげたかった。

似合わないのにそこにいなくちゃいけないことって、あるよ。

ぼくだってそうだよ。」

という心境の変化には驚きと共に、

人は子供とか親とはそうゆう形ではなく、

自然と心が動くことがあるのだと思いこの息子に対して

とても微笑ましく逞しく思えてしまいました。

このぼくというのが小さなぼくから大人の僕に

変化したものだとも思えました。

 

作品を読み進めていくと、

それぞれの作品が何処かで繋がっているので、

それを探し読み進めるのも面白かったです。

 

この作品は角田さんの初期の物ですが、

今ではこれよりも遥かに描写が細かく

人間観察力、洞察力などがかなり優れているというのは

こうゆう作品からも分かり、これから更にステップアップ

していったものだと思いました。

 

どんな生き方をしていても、

その中で精一杯生きている姿には共感を得られました。

 

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2020.04.19 Sunday | 読書22:00comments(0) | - | by yumi

ほしおさなえ 活版印刷三日月堂 海からの手紙

ほしおさなえさんの活版印刷三日月堂海からの手紙を読みました。

内容
小さな活版印刷所「三日月堂」には、今日も悩みを抱えたお客がやってくる。

物静かな店主・弓子が活字を拾い、丁寧に刷り上げるのは、

誰かの忘れていた記憶や、言えなかった想い……。

活字と言葉の温かみに、優しい涙が流れる感動作。
静岡書店大賞を受賞・ブクログ1位・読書メーター1位など、

話題沸騰の人気シリーズ、待望の第二弾!
<もくじ>
ちょうちょうの朗読会
あわゆきのあと
海からの手紙
我らの西部劇

 

番外編を先に読み、シリーズ本第2弾に入りました。

 

今回もどの作品の登場人物にも

過去から何かを抱えた人達が登場してどれも涙無しでは

読めないストーリーばかりでした。

 

特に「あわゆきのあと」では現実ではあまりあり得ないこと

だと思いますが、子供が幼い頃に何か感じられていた怖かったものが、

ある時を境にして両親から現実を告げられた時の心境が

子供の視点で描かれていて更に心の中をぎゅっと掴まされました。

今までいないと思っていた兄弟が実はいたということは

本当はどんな気持ちになっているのか、

そして本当の事を告げる時の両親の気持ちというのは

どんな思いなのだろうかと両者から考えましたが、

両者の切なる思いが描かれていてラストはとても

晴れ晴れしく生きていく力が描かれていて心を打たれました。

 

弓子さんの活版印刷に対しての思い、

その他の登場人物にもまた違った活版印刷への思いが

したためられていて、文字や言葉が言霊のように思えて

活版印刷への愛着が更に深まったように思えました。

 

今回も印象的な言葉が何個もありましたが

その中でも

「楽しくても、日々は過ぎて、

どんな人でもやがては老いて亡くなって、お墓に入る。

いきているのは、ほんのちょっとのあいだの、夢みたいなものだ。

でもね、とてもいいことだよ。

そうやって元気に生きられるのは。」

と言った住職の言葉や

 

「これからの息子が、

かつてのわたしたちの同じように夢を追い、

ときにはそれに裏切られ、それでも生きていく支えとして、

幻の風景を心に持ち続けることを祈り」

と書かれていた原稿の文字。

これから未来を担っていく子供たちに

優しい言葉で語られているのがとても心に響きました。

 

子供の頃の気持ちに振り返ることで、

今生きている喜び、感謝する気持ちなども

改めて噛みしめることが出来て心が温まりました。

このまま次のシリーズも読み進めていきます。

 

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2020.04.18 Saturday | 読書12:29comments(0) | - | by yumi

東野圭吾 クスノキの番人

東野圭吾さんのクスノキの番人を読みました。


内容
不思議な力を持つ木と番人の青年が織り成す物語。

『秘密』『時生』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』に続く新たな感動作。

長編書き下ろし。

 

願いが叶うと言われているクスノキ。

その番人を突然任された玲斗とクスノキの元へ祈念に訪れる

人々と織りなす物語。

 

主人公の玲斗の生い立ちがあまりよくなく、

世間知らずで常識知らずな所から千舟と出会ったことで

色々な人間と関わることになり、

人としてどんどんと成長していき、

今まで自分の生い立ちや生き方に後ろめたかった

玲斗が生き生きしていく様子が誇らしく見えました。

それと同時にクスノキの元で出会った優美との

存在も大きく、感情が徐々に変化していくのも

成長の大きさにもプラスされていき

時には微笑ましさも感じられて良かったです。

 

前半は玲斗の生い立ちや家族関係、クスノキに携わっていた

千舟の過去や家族関係などとあらゆる登場人物の伏線のような

ものが描かれています。

何組かクスノキに祈念をされる人達が訪れますが、

この祈念には一般に神社で拝んでいるようなものではなく、

新月の時に預念をし、満月の時にその念を受け取ることが

出来るという特別な出来事。

その現象の詳細なからくりはストーリーが進められていくうちに

徐々に明らかになっていきますが、

そのからくりを解いていくのにも人との繋がり、

家族の繋がり、絆というのを感じられずにはいられません。

後半になってはそれぞれの秘密になっていた家族の内情や

繋がりが真相に迫っていくので一気に読んでしまいました。

 

例え普通の家族という形で見えていても、

その形は今や様々な形態になっています。

その形の中で自分がどのような立場でいるかによって

家族への思い方が違ってくるかと思います。

けれどどんな親子であっても子供を思っていない

両親などいないと思えるほどこの作品の中では

親が子を思う気持ちが十分すぎるほど伝わってきました。

 

どんな人間でも、生まれてきた理由があります。

という言葉が玲斗と同様にとても印象深く、

この作品のキーワードでもあると思いました。

 

家族の絆や繋がりについても描かれていますが、

それと同時に認知症についても触れられていて

生きていくうちに避けられない老いということにも

優しく触れられていたのですんなりと心に入ってきました。

 

「ナミヤ雑貨の奇蹟」を彷彿させるような作品で

SFファンタジーのようなテイストがありますが、

読んでいても読了後にも心がとても温まる作品でした。

 

ラストには玲斗の心強い未来のある言葉があったので、

数年後の玲斗の成長した活躍ぶりを見てみたいです。

シリーズ化になるのを切望します。

 

映画化になるというので、機会があったら観てみたいと思います。

 

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2020.04.11 Saturday | 読書17:48comments(0) | - | by yumi