垣谷美雨 あなたの人生、片づけます

垣谷美雨さんのあなたの人生、片づけますを読みました。

 

内容

社内不倫に疲れた30代OL、妻に先立たれた老人、

子供に見捨てられた資産家老女、一部屋だけ片づいた部屋がある主婦…。

『部屋を片づけられない人間は、心に問題がある』と考えている

片づけ屋・大庭十萬里は、原因を探りながら汚部屋を綺麗な部屋に甦らせる。

この本を読んだら、きっとあなたも断捨離したくなる!

 

ケース1 清算

ケース2 木魚堂豪

ケース3 商の館

ケース4 きれいすぎる部屋 4篇収録

 

清算 社内不倫に疲れた30代OL

木魚堂豪 妻に先立たれた老人

商いの館 子供に見捨てられた資産家老女

きれいすぎる部屋 一部屋だけ片付いた部屋がある主婦

とそれぞれタイプの違う汚部屋の片付けを

片付け屋の大庭十萬里が綺麗な部屋へと甦らせていきます。

 

どの人達も初めは大庭の言うことには

あまり賛同せずに片付けもあまり進んでいかないですが、

大庭が的確に発する言葉によって心を動かせられ、

次第に片付けをすることが自然になり、

それにより心も動かされ生き方までもが変わっていくところが

読んでいて爽快でした。

 

片付けをしたいということは

もちろん物を整理するということにもなりますが、

それをすることによって同時に心の整理もしている

ことだとこの作品を読むと納得させられました。

こんなアドバイザーが身近にいたならば、

是非受けてみたいところです。

 

どのケースの場合でも胸を打ち、印象的な言葉が残りますが、

ケース4のきれいすぎる部屋は涙をそそられました。

身近な愛しい人が亡くなってしまい悲しみに暮れてしまうことは、

いくら時間が経過しても忘れることも乗り越えることも大変だということ。

時間が解決するというけれどそれも大変だということ。

だからこそそうゆう時には思い切り悲しみ泣いたり、

同じ境遇の人と思い切り語り合うこと。

決して我慢をしないというこの考え方。

それから徐々に元気を取り戻していく姿には涙してしまいます。

 

断捨離がしたい、片付けたいと常に思っていても

なかなか片付けられない実情。

けれどこの作品を読んだことで今までの片付けに対する

考え方が変わり、読んだ後には自然に片付けをしたくなりました。

 

印象的な言葉がいくつもありましたが、

その中でもこの三点が心に留まりました。

何十年も生きてきたから、沢山持っていますが、それでも必ず買います。

殆どの女性がそうではないでしょうか。

ということは、全部捨ててしまってもかまわないということです。

この際、何もかも捨てて、いちから買い直せばいいんじゃないですか?

本当に必要なものは何なのかをじっくり考えて少しずつ買い足していけばいいんです。

 

もし明日が人生最後のゴミの日だとしたら、どうします?

 

老後の安心のために残すべきは、物ではなくお金ではないですか?

 

この三点を必要な時に応じて思い出して、

心の整理と片付けに挑みたいと思いました。

 

本のタイトルに惹かれて手に取りましたが、

タイトルだけの魅力ではなく内容もしっかりとして

テンポ良く読めて面白かったので、

垣谷さんの他の作品を読んでみようと思います。



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2019.07.16 Tuesday | 読書23:59comments(0) | - | by yumi

東野圭吾 希望の糸

東野圭吾さんの希望の糸を読みました。

 

内容

東野圭吾の最新長編書き下ろしは、「家族」の物語。

「死んだ人のことなんか知らない。

あたしは、誰かの代わりに生まれてきたんじゃない」

ある殺人事件で絡み合う、容疑者そして若き刑事の苦悩。

どうしたら、本当の家族になれるのだろうか。

閑静な住宅街で小さな喫茶店を営む女性が殺された。

捜査線上に浮上した常連客だったひとりの男性。

災害で二人の子供を失った彼は、深い悩みを抱えていた。

容疑者たちの複雑な運命に、若き刑事が挑む。

東野圭吾「令和」初の新作書き下ろし長編ミステリー!

 

帯には特に書いていなかったですが、

読み進めていたら加賀恭一郎のシリーズでした。

加賀本人ではなく、松宮修平の出生について描かれています。

 

今回は親子の絆、家族の絆がテーマとなり、

その中でも女性が子供を生むということに関しての

テーマが特に強く描かれていると思います。

特に印象的だったのが

女・・・母親は厚かましくて勝手なの。

元々はどこの誰の受精卵だろうが、

自分が生んだ以上は自分の子供だとしか思えない。

遺伝子なんて関係ない。

という心強い断言でした。

これが女性の子供を生むということと、

母親になるという覚悟だと思えました。

 

登場人物が多すぎて頭を整理しながら読み進めないと、

松宮の出生のことと事件にまつわる人間関係が

混ざってしまうので少し混乱気味でした。

 

松宮がいつだか加賀に言われた言葉

自分の勘が外れていることに気が付いかず、

的外れな捜査に固執する刑事は優秀とはいえないが、

少しばかり思惑通りに行かないからいって、

すぐに勘が外れたと決めつける刑事も大したことはない。

といった言葉が印象的で、

今回は松宮の刑事としての成長ぶりがかなり伺えました。

 

この作品のタイトルにもあるように

糸とは・・・

たとえ会えなくても、自分にとって大切な人間と見えない糸で

繋がっていると思えたら、それだけで幸せだって。

その糸がどんなに長くても希望を持てるって。

だから死ぬまえ、その糸は離さない。

というこの言葉で全て表現されていると思います。

そしてこの糸は誰にでも繋がっているので、

この糸を時には自分で確認をして、

そして感謝をしつつ、命の重さを大事にしたいと思いました。

 

家族の絆だけでなく、体外受精、取り違え、同性愛などと

現代的要素もたっぷりと織り交ぜながらストーリーが展開されていくので

とても読み応えがあり心が揺さぶれ胸が熱くなりました。

男性よりも女性の方に多く読まれると良いと思います。

今回も東野さんの作品らしく裏切ることなく、

たっぷりと楽しめた作品です。

 

加賀シリーズは一応終わりという形になっていますが、

スピンオフとしてこれも映像化されたら面白いと思うので、

いつかその時が来るのを楽しみにしたいと思います。



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2019.07.13 Saturday | 読書16:50comments(0) | - | by yumi

原田マハ ロマンシエ

原田マハさんのロマンシエを読みました。

 

内容

政治家を父に持つアーティストの卵・遠明寺美智之輔は、恋愛対象が同性の乙女な男子。

同級生の高瀬君への恋心を秘めたまま、日本の美大を卒業後、単身、パリへ留学した。

ある日、美智之輔は印象的な風貌の羽生光晴という女性と知り合う。

偶然にも彼女は、美智之輔が愛読する超人気小説の作者で、

訳あってリトグラフ工房に匿われていた。

過去に、ピカソなどの有名芸術家たちが作品を生み出してきた

プレス機が並ぶその工房で、

リトグラフに魅了された美智之輔は、光晴の生活をサポートしつつ、

リトグラフ制作をすることになるが―。

 

原田さんの作品は好きなので何冊も読んでいますが、

大概は美術関係を主軸にした作品が多いですが、

今回は作風ががらりと変わり

一言で表すならばラブコメディーと言えるほど

面白く楽しい作風になっています。

 

作品の前にご注意とあり、

本作の主人公は平成生まれであるのもかかわらず。

かなり昭和な表現を多用しています。

と書かれてあったので何のことだろうと思いながら読み始めました。

後になりこれが面白さに拍車がかかっているのだと思いました。

 

いつもと作風が違うので当然表現がかなり

変わるかとも思いましたが、主人公の美智之輔のテンションの

高さについていけずにちょっと読むのが大変でした。

けれど読み進めていくとこのテンポに慣れてきて、

それが段々とこの物語の面白さになってきているのだと思いました。

 

登場人物も事情があったり個性的ですが、

それぞれが自分の好きな事、夢や目標に向かって

頑張っている姿がとても良かったです。

そして同じ時間と同じ空間を共有している仲間として

互いに支え合っている姿が素晴らしかったです。

 

美智之輔が時々思っている言葉が

時にして心に響くので印象的です。

中でもこの言葉が印象的でまさにこの言葉を

原田さんに捧げたいとも思いました。

すばらしい小説を生み出してくれるあなたと、

あたしたちは同じい時代を生きている。

そのすばらしさ、かけがえのなさ。

あなたと同じ時代を生きている喜びを、

いつか伝えてもいいですか?

 

物心がついた時から自分のジェンダーに違和感を覚え

いつも周りを気にしながら過ごしてきたり、

自分に自信が無く過ごしていた一人の乙女な美・男子が、

単身でパリに行き、そこで自らの力と出会えた友達によって

未来をこんなも変えられたなんて凄いなと思います。

 

パリの街並みやフランスの風景が

見えるかのように描写も綺麗で、

そして登場人物の会話も面白くテンポも良いので、

まるでフランス映画を観ているかのような雰囲気を

味わうことが出来ました。

読了後には爽快感とほっこりとした心の温かさに包み込まれました。

今までと違った原田さんの作品が読みたい方にはお勧めの作品です。

 

この作品は映像化するときっと良い作品に

なりそうな気がするので映像化も期待したいところです。



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2019.07.09 Tuesday | 読書16:17comments(0) | - | by yumi

横山秀夫 ノースライト

横山秀夫さんのノースライトを読みました。

 

内容

一級建築士の青瀬は、信濃追分へ車を走らせていた。望まれて設計した新築の家。

施主の一家も、新しい自宅を前に、あんなに喜んでいたのに…。

Y邸は無人だった。そこに越してきたはずの家族の姿はなく、

電話機以外に家具もない。

ただ一つ、浅間山を望むように置かれた「タウトの椅子」を除けば…。

このY邸でいったい何が起きたのか?

『64』から六年。待望の長編ミステリー。

 

初めは推理小説かと思い勘違いして読んでいましたが、

勘違いするほどそれだけサスペンス感のような

ドキドキ感を味わいました。

特に後半からはぐんぐんと真相に迫り、

今まで冷静だった主人公がどんどんと熱量を上げていくのが

ページを捲る手が止まりませんでした。

 

今まで建築士を主軸にした作品を読んだことが無かったので、

設計、建築などの仕事の一連が知れて面白かったです。

またこの作品の鍵となる「タウトの椅子」の制作者でもある

ブルーノータウトについての事が詳細に描かれているので

とても興味深く読めました。

作品の舞台となった所が意外にも自身の身近な場所に

あったりと作品の中に登場するものが、

どこか身近なものに感じたので感情移入もしやすかったです。

 

主人公の仕事に対する思い、そして家族や同僚、友達などと

家を通して人生そのものを考えさせられるような

テーマでもあり読んでいてとても納得するものばかりでした。

そして家を建てるということはどんな人でも

夢を見させてロマンを感じるものだと思いました。

そんな建築士がとても魅力的だと思えてしまいました。

 

「64」、「半落ち」、「クライマーズハイ」などの

以前の作品を動とするならば、

今回の作品は静寂感の静でその中に美しさのような

佇まいを感じて今までの横山さんの作品とは違った

作品の雰囲気でとても味わい深いものだと思い

読了後は明るい未来も垣間見れて心が温まりました。

 

この作品も映画やドラマなどの映像化として観てみたいです。

 

 

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2019.07.05 Friday | 読書13:45comments(0) | - | by yumi

柚月裕子 慈雨

柚月裕子さんの慈雨を読みました。

 

内容

警察官を定年退職し、妻と共に四国遍路の旅に出た神場。

旅先で知った少女誘拐事件は、16年前に自らが捜査にあたった事件に酷似していた。

手掛かりのない捜査状況に悩む後輩に協力しながら、

神場の胸には過去の事件への悔恨があった。

場所を隔て、時を経て、世代をまたぎ、織り成される物語。

事件の真相、そして明らかになる事実とは。

安易なジャンル分けを許さない、芳醇たる味わいのミステリー。

 

引退をした元警察官が妻と一緒に妻とお遍路の旅に出ている途中で

少女誘拐事件の発生を知り真実を追うミステリー。

様々な警察官の作品やミステリーの作品を読んできましたが、

引退をした警察官がお遍路をするという設定というのは

記憶には無かったのでまずは珍しいと思いました。

 

少女誘拐事件は足利誘拐事件を元にしているようなので、

所々に似たような事件の背景がありましたが、

だからこそリアリティがあって生々しいさがあり

元警察官がいつまでも心の隅にひっかかっていた

辛い思いがよく伝わりました。

本来ならばこんな事件の捜査はあってはならないと思うところですが、

引退してお遍路したことによって成し得たことだと思うので

結果的には良かったのかとも思えます。

 

お遍路を妻と共にしている時には

妻の可愛らしさ、心の良さが伺えて

さすが警察官の妻と言われる人物像が分かります。

けれどその心の奥底では辛くて悲しい思いを抱えながらも

健気に夫を支えている姿が伺えて何とも言えない気持ちになりました。

だからこそこのお遍路ではいい旅になって欲しいと

心の底から思えました。

 

元警察官の夫にとっても人生の岐路と言える旅路でも

あったと思えますが、妻というか夫婦という形にとっても

このお遍路が今までの人生と今後の人生をなぞっているようにも思えて

特別な意味のあるお遍路だと思いました。

 

お遍路を題材にした作品も何冊か読んだころが

ありますが、この作品では割と細かく道中のお寺の事なども

書かれていたのでお遍路についても興味が持てました。

 

それぞれの警察官が全力でその仕事に取り組んでいると思いますが、

その中で刑事ならではの言葉がとても印象的でした。

罪を犯すは生きている人間だ。

被害を受けるのも生きている人間だ。

事件ってのは生きているんだ。

事件という名の、生きた獣と闘っているつもりでいる。

生きているもの同士だから絶対に事件の真相を

解けないこともなく、不可解なこともないはずですが、

実際には人間がすることだからこそ行き違いがあったりして

困難になったりしてしまうのだと思ってしまいます。

 

お遍路をしながら警察官としての人生、私生活での人生を重ね合せ、

それと共に現在遂行されている事件と併行されてストーリーが

進んでいくので読んでいて面白かったです。

警察官としての人間関係の難しさも端々に表れて

その関係性も独特で興味深かったです。

ミステリー性も十分にあると思いますが、

どちらかというと家族、特に妻との関係性が強く描かれているので

ヒューマン性があるので自分の人生と重ね合わせて読んでみるのも

良いかとも思いました。

 

 

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2019.06.24 Monday | 読書22:44comments(0) | - | by yumi

瀬尾まいこ 傑作はまだ

瀬尾まいこさんの傑作はまだを読みました。

内容
「実の父親に言うのはおかしいけど、やっぱりはじめましてで、いいんだよね?」そこそこ売れている引きこもりの作家・加賀野の元へ、生まれてから一度も会ったことのない25歳の息子・智が突然訪ねてきた。

月十万円の養育費を振込むと、息子の写真が一枚届く。それが唯一の関わりだった二人。

真意を測りかね戸惑う加賀野だが、「しばらく住ませて」と言う智に押し切られ、初対面の息子と同居生活を送ることに―。孤独に慣れ切った世間知らずな父と、近所付き合いも完璧にこなす健やかすぎる息子、血のつながりしかない二人は家族になれるのか?

その「答え」を知るとき、温かく優しい涙が溢れ出す。笑って泣ける父と子の再生の物語。

 

血の繋がりのない息子が突然父のもとに現れて、

二人の生活を始めるという再生の物語。

 

この父親が少し風変りで若い頃から売れない小説家で

近所付き合いもなく、外の世界と殆ど交わることなく生きている。

これが小説家としては良いとは思えないですが、

本人はひたすら好きな文章を書いて自分の世界に引きこもり孤独な人生。

そんな所に突然息子と名乗る人が現れて、

一体どうなるのかと思ったら、意外と面白いコンビだなと思えました。

この息子も少しぶっきらぼうな所がありますが、

意外と世間を知り、常識を知っていてむしろ父親の方が

世間知らずの常識知らずで父親のフォローをしているのが

可笑しかったです。

 

父親は息子と過ごしていくうちに徐々に心に変化が表れ、

息子にも心を開いてきたり、自分を取り巻く環境に少し目を

向けることになったりとしてその変化もまた面白いです。

 

この息子の母親というのもちょっと変わった人だなと思いますが、

良い意味での変わった人であって母親としての強さと

人としての心の器の広さを感じられました。

 

父親としては情けなく頼りがいのない人だという

人間だというのが一瞬で分かってしまうこの母親ですが、

人間性はともかく彼の書いた小説をいつまでも読んでいた

というのには驚かせられました。

呆れられていても何処かで惹かれた部分があったから、

こんなにも続けていられたのかとも思えました。

 

例え今は血の繋がりのない間柄であっても、

それを超える心の繋がりというのが

会話の端々に出ていて

そこから心の温かみを感じられました。

 

瀬尾さんの作品を何冊か読んでいますが、

読了後にはいつも心がほっこりとして

笑顔になれます。

この作品もまたほっこりとして人との繋がりが

良いなと思えて大切だなと思えた作品でした。

 

 

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2019.06.17 Monday | 読書18:26comments(0) | - | by yumi

夏川草介 新章 神様のカルテ

夏川草介さんの新章 神様のカルテを読みました。

 

内容

320万部のベストセラー、大学病院編始動 信州にある「24時間365日対応」の本庄病院に勤務していた内科医の栗原一止は、より良い医師となるため信濃大学医学部に入局する。

消化器内科医として勤務する傍ら、大学院生としての研究も進めなければならない日々も、早二年が過ぎた。矛盾だらけの大学病院という組織にもそれなりに順応しているつもりであったが、29歳の膵癌患者の治療方法をめぐり、局内の実権を掌握している准教授と激しく衝突してしまう。 舞台は、地域医療支援病院から大学病院へ。

シリーズ320万部のベストセラー4年ぶりの最新作にして、10周年を飾る最高傑作! 内科医・栗原一止を待ち受ける新たな試練!

 

全シリーズを読んで4年ぶりということで手に取りました。

 

研修医から大学病院の内科医になった一止。

以前も患者側の立場に立って治療などに

携わっていましたが、今回も更に患者側の立場、

患者の家族に寄り添いながら奮闘しているのがとても良かったです。

 

とかく大学病院というと論文、教授争い、医局内の対立などと

患者さんの気持ちなどをないがしろにしがちなイメージが強く

それを中心に描かれている小説が多いですが、

今回は多少これらの要素も入り込んできますが、

重要な患者三名を中心にし、

治療方法を進めながら物語が展開されていきます。

 

特に若くしてからの29歳の患者の場合は

一分一秒の時間も無駄にはしてはいけない状態だったので

読んでいてハラハラとさせられ最後に辿り着くまで

心が落ち着きませんでした。

 

いくら優秀な医師であっても最新の医療があっても

必ずその病気が治せるという確実性はなく、

難しい病気の患者さんほど医者であってもたじろいてしまうという現実が

この作品ではよく伺えました。

けれどそれにも負けずに、立ち向かう一止医師を中心とするチームの

スタッフの対応には心打たれます。

 

自分の命があとわずかだとしても、

人間には生きるということは権利ではない、義務です。

という言葉は印象的です。

生きている限り懸命に生きるというのが義いうのが誰にでも
与えられたものだと確信できます。

 

そして大学病院でのルールがあったとしても、

患者さんの心の声に答えながら、地域の病院などにも

協力を得るという型破りなやり方であっても

患者側に喜ばれることならばこんなに良いことだと思います。

 

良い環境での医療現場、スタッフ、研究などと

大学病院は医師にとっても患者にとっても最高の医療現場かと思います。

これをただの白い巨塔だけではなく、最高の治療が出来るように

医師達がそれぞれ手を組んでもれたら更に医療が高まるかと思います。

 

四季を感じながら自然に月日の流れを感じさせ、

緊迫した医療現場との対比になってこの作品らしいなと思いました。

 

一止のような患者側に立った医療と治療を進めていくのは

とても難しいと思いますが、

作品のような環境が少しでも多く増えれば

良いなと心から思えました。

 

患者の話をする医師を目指して、

今後の一止の展開が気になるので

このシリーズの続きがあったらまた読んでみたいです。

 

 

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2019.06.07 Friday | 読書16:16comments(0) | - | by yumi

葉真中顕 ロスト・ケア

葉真中顕さんのロスト・ケアを読みました。

 

内容

戦後犯罪史に残る凶悪犯に降された死刑判決。

その報を知ったとき、正義を信じる検察官・大友の耳の奥に響く痛ましい叫び―悔い改めろ!介護現場に溢れる悲鳴、社会システムがもたらす歪み、善悪の意味…。

現代を生きる誰しもが逃れられないテーマに、圧倒的リアリティと緻密な構成力で迫る!全選考委員絶賛のもと放たれた、日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。

 

葉真中さんの作品は「絶叫」を読んでからの2冊目です。

 

高齢化社会を着眼点におき、介護現場の盲点を上手くついていて

とてもリアリティがあったのでストーリーに引き込まれました。

まだ介護をしたり、されたりする立場ではないですが、

いつかは誰もが経験をするということもあり

他人事とは思えなく介護現場での実情や

今の介護に対する行政の仕組みなどを改めて

突き刺された感じで本当に今以上に高齢化社会がやって来るであろう

日本社会は果たして乗り越えていけるのだろうかと

不安になってきました。

 

育児は一時だけの期間限定だけで済むことができますが、

介護というのは期間が限りなくいつ終わりになるか

分からないという暗闇な部分があるから

介護をしている人にとってはこの作品の登場人物のような

気持ちになってしまうかと思います。

登場人物のある言葉で、

母親の介護は辛かった。

本当に辛かった。うんざりしていた。地獄だった。

心の底で早く終われと願っていた。

その日が来るのを待ち望んでいた。

それなのに。

という言葉が介護をする人の本音だと思い

これが重くのしかかり印象的です。

例え自分の親でさえもこんな思いになってしまうということは

本当に介護を一人でするというのが過酷だというのが分かります。

 

この犯人のした事は罪で人としてしたことは悪いことだと分かります。

けれどこの作品を読むと簡単にそれだけでは片付けられないような

ことが沢山詰め込まれていて、人の尊厳死というのも

また考えさせられます。

 

介護制度というのが日本にも導入されてから

良い面だけが取り出さたれているようにも思えて、

本当に介護が必要な人達が果たして介護を受けられるのか、

受けられているのか、そして家族が介護を力を入れている行政の

やり方に少し疑問も持ちました。

 

後半部分での犯人の供述などを読むと一筋縄では

いかないようにも思えます。

この社会には穴が空いている。

まさに今の社会でもこの通りだと思ってしまいました。

 

この作品は様々な社会の闇の部分を

鋭くえぐり取っている洞察力は凄いなと思いました。

これから益々高齢化社会、介護問題が問題化され、

その中で家族の絆という意味もまた考えさせられて

辛くも苦しく読み応え抜群のミステリー作品でした。

これが日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作品というのに

また驚かせられます。

 

 

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2019.05.31 Friday | 読書23:33comments(0) | - | by yumi

奥田亜希子 五つ星つけてよ

奥田亜希子さんの五つ星つけてよを読みました。

内容
PC上で輝く星だけが、進むべき道を照らしてくれる―。

離婚して実家に戻った恵美は、母の介護を頼んでいるホームヘルパー・依田の悪い噂を耳にする。

細やかで明るい彼女を信頼していたが、見る目がなかったのだろうか。

動揺する恵美に、母が転んで怪我をしたと依田から連絡が入り…。

ネットのレビュー、ブログ、SNS。評価し、評価されながら生きる私たちの心を鮮やかに描き出す6編。

キャンディー・イン・ポケット
ジャムの果て
空に根ざして
五つ星つけてよ
ウォーター・アンダー・ザ・ブリッジ
君に落ちる彗星

キャンディーインポケット

控えめな女の子が誰と仲良くすれば効率的になるかという、

思春期の甘酸っぱい思いがぐっとくる物語でした。

思春期の女の子の心情がよく表れていて過去に遡っている気がしました。

ジャムの果て
家庭を一番に考えて子育て、家事に尽くしていたのに、
それが卒業となると途端に子供から見放されてた母親の物語。

夫にも子供にも自分を犠牲にしてまで尽くしてきた

人生なのに、それから解き放たれた時の心情が寂しくて切なくて

こんな思いを母親はしていたかと思うと胸が詰まります。

家庭から離れても自分の行き場の無い気持ちと孤独感も切なかったです。

空を根ざして
結婚したい女性とまだ結婚に踏ん切りのつかない男性の心模様。
どちらの気持ちも細やかに描かれていてリアルです。
結婚前の男性は一度はこんな気持ちになるのかなと思ったりしました。

 

五つ星をつけてよ

離婚をして実家に戻った女性が母親の介護をする。
そこでホームヘルパーへの悪い噂を耳にしてしまという物語。

母親の介護をしている時の心情がつぶさに表されていて、

母親に対してもヘルパーに対しても刻々と心情が変化していくのが

よく表されていて一番ドキドキした気分で読みました。

こうゆう事での悪い噂は聞きたくないと強く思いました。


ウォーター・アンダー・ザブリッジ

バンドを組んでいた男性を好きになりその頃の自分と

今の娘を投影しながら描かれた物語。

この作品だけはネットのレビューやSNSが登場することなく、

描かれていて他の作品とは少し違うテイストでふんわりと柔らかい

印象を持った作品でした。

親となったならばこうやって投影してしまうから

つい口を出しすぎたり束縛をしてしまうのかとも思えました。

君に落ちる彗星

専業主婦たちのブログアップについての物語。

ブログアップする人の心情、それを観ている人の心情など

ブログにまつわる人それぞれの心情がとても細かく書かれていて

思わず同じような人がいたなと笑ってしまいそうでした。

ただラストが「おや?」という気持ちになり、

この部分は必要ではないような気もして

不思議な印象になってしまいました。

 

どの作品も描写が細かく心情に関してはとてもリアルだったので、

こんな人達が何処かにいるだろうかと思ってしまいます。

日常のある一部分だけを切り取り、それを心地よい言葉で

表現をされていて言葉ではいい表せない満足感がありました。

タイトルでネット関係についてだけの作品の内容かと思いましたが、

それが出てくるのはほんの僅かでそれ以上に

心の通った人間らしさがたっぷりと出た作品でした。

 

あとがきで彩瀬まるさんの解説がよく書かれていて、

この作品をきっかけに他の作品も読んでみたいと思いました。

短編も良いですが長編を読んでみたいと思います。

 

 

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2019.05.27 Monday | 読書00:15comments(0) | - | by yumi

内村光良 ふたたび蝉の声

内村光良さんのふたたび蝉の声を読みました。


内容
自分はあと何年生きられる?仕事はこの先どうなっていく?

家族の形はこのまま変わらず続けていける?

進はぼんやりと天井を見上げ物思いに耽っていた。

昭和、平成を必死に生き、支え合った

それぞれの世代の“家族”と“人生”の物語。

内村光良、初の書き下ろし長編小説。

 

以前内村さんの「オリンピック男」を読んで良かったので、

今回も同じような内容かと思い読み進めていきましたが、

登場人物が多いのは良いですが、

全体のストーリーに対しての

繋がり感があまり無くて少し残念でした。

 

「オリンピック男」よりも一人の人物としての物語は

重厚なはずなのですがその厚みが少し欠けていて、

書下ろしというよりも台本に近いような印象を受けてしまいました。

 

といってもストーリーは中盤から前半とは雰囲気が

がらりと変わって、あることがとても気になり、

涙で本が滲んでしまいそうな場面もあり

これにはやられてしまいました。

 

同じような昭和の世代を歩いてきたので、

大きな出来事、ヒット曲、映画など

所々に出てくるので懐かしくもあり楽しめました。

 

家族の形がそのままという意味が初めはピンときませんでしたが、

ストーリーが進むごとに家族の形が変わり、

そしていつかは受け継がれていって

自然の流れに辿り着くということが

この年代になると特に身に沁みてしまいました。

 

だからこそ、人生明日はどうなるのか分からないから

ただ悔いのないように日々を過ごしていこう。

自分が良いと思うことだけを信じて、

それに向けてしっかりと生きていこう。

というシンプルな言葉が印象的で自分自身も改めて

この気持ちでいこうと思えました。

 

長編小説というと評価としては難しいところですが、

文章から出てくる内村さんの人柄や優しさがよく出ているかと思います。

そして何よりも読みやすく、シンプルに気持ちが伝わってきます。

自分の人生と重ね合わせて、

改めて家族の形、そして友達と自分の周りの

大事な人達との繋がりを考えてしまう作品だと思います。

 

今までの活躍以上にまたこれからの幅広い活躍も

この作品をきっかけに期待したいと思います。

 

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2019.05.19 Sunday | 読書00:31comments(0) | - | by yumi